上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2007.01.28 蝉しぐれ
 今回で最後。『蝉しぐれ』である。
 原作の方は昔ほんの触り(蛇の毒を吸う件)を国語の教科書で読んだ位で、藤沢周平作品は読んだ事が無かった。それでこの映画を借りたのは、友人の推挙でこれは良い、と言う事で見たのだが、確かに良かった。

 お家騒動に巻き込まれて父を失い、身分を落とし、世間から疎まれ、それでも尚真っ直ぐに成長し、己の中にある義と離れ離れとなり人の妻となってしまった幼馴染のふくの為に戦う文四郎の姿は、正に一人の男の生き様である。市川染五郎は、個人的には好かぬタイプだが、それでも良かった。

 特に前半、中盤(この継ぎ方はちょっと微妙だったが)の叙情的な情景とは打って変わった後半における数十人の敵を前にしての剣劇は圧巻で、人を斬った事の無かった文四郎が畳に刺した何本もの日本刀を振るっては捨て、捨てては振るいながら、果敢に戦う姿はとても現実味があって良かった。その後における好敵手相手に、背中を通しての逆手による諸手逆袈裟斬りも、ケレン味があって格好良かった。

 そして戦い終えた後、成長した文四郎とふくが己の心中を語り合う場面は切なくも美しく、それ故にこれ以上は書かない。総じて、大変に美しく、素晴らしい映画であったと思う。

 たが、それで感銘を受けたかと言うとそう言う事は無い。面白くなかった訳では無いのだが、何と言おう、引いた画で映し出された風景、間を置いて語らう場面等に感じる、清涼感が鼻に付いたのだ。

 趣味趣向としてはスチームパンク、荒廃し退廃した世界が好きなだけに、その真逆を行く作品は、嫌いでは無いのだが苦手である様だ。同じ様な作品で『たそがれ清兵衛』や『武士の一分』があるが、多分これは見るまい。
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://tasogaremignon.blog79.fc2.com/tb.php/212-7af9ebb3
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。