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 先日言った通り、一頻り聞いたので『少年は剣を…』の考察をしてみんとす。
・ジャケットに描かれた少年の正体
 誰もがその白髪に碧眼と言う姿から、ルキアを連想させたこの少年は何者なのか?

 ルキアの息子或いはルキウスでは無いかと言われているが、自分は息子説を推奨する。

 その理由の一つとして、限りなくメタ的な話になるが、SHが第二期として、メンバー一新されたからだ。その新生SHとしての記念すべき最初のCDに、こう言っては何だが、終わってしまった者を主役とするとは思えないからだ。

 また別の理由として、『終端の王と異世界の騎士~The Endia & The Knights~』の歌詞がある。

 中盤での明らかにクロニカを示す歌詞、世界を喰らう(刻を孕む/歴史を呑む)終端の王(=書の魔獣か)、ハジマリの空、モノガタリ等の単語からしてChronicle 2nd(以下クロセカ)を思わせる曲だが、その中にこの様なフレーズがある。

 仮初の空に浮かべた追憶の《追走曲》

 《地平線を渡る旋律》を口吟むのは誰の唇?


 追走曲=カノン 地平線を渡る旋律=モノガタリ

 ここで重要なのは、『仮初の空』『追憶』『地平線を渡る』である。

 空とはルキアの友人であろうと思われる”ボク”が成ろうとした存在である。

 クロセカの『書の魔獣』の新世界へと導くあの音、そしてその後の『キミが生まれてくる世界』の語り手を額面通りルキアとすれば、黒の教団が望んだ世界の空=仮初であり、追悼は旧世界に捧げたもの、そして地平線を超えて旧世界から新世界へと渡る旋律を、歌うのは誰かと考えれば、ルキアの息子と考えるのが妥当だと思う。

 尚他にその”ボク”及びクロセカの『雷神の系譜』の少年も考えたが、前者は歌の内容的に既に死んでいる(そしてそれがルキアに影響を与えた)可能性が高く、後者は時代が古過ぎる事及び彼(等)には雷神の力がある訳で剣を手に取る必然が無いのである。

 しかしこの論理には欠点があり、こう考えた場合クロセカは完全にバッドエンド(希望はあるが、その世界だけで見れば)であり、さらに主人公妊娠エンドと言う事になってしまう事だ。

 とは言え、過去を受け継ぎつつ、未来へと進むと言う意味でもやはりルキアの息子であると思う訳であり、そうする事で『終端の~』は正しく第一曲目に相応しいと言える。

・共通の敵
 二曲目『緋色の風車~Moulin Rouge~』に出てくる僕と君は、先のルキアと”ボク”を思わせる。

 タイアップ曲二つに挟まれ、そしてこの曲だけにじまんぐ、そして尤も具体的な物語であるのは、この話が僕=少年におけるターニングポイントであると思うが、これは後述に任せる。

 それよりも気になったのは、僕と君を襲う敵の存在である。

 『書の魔獣』のノア曰く、ルキウス=反逆者の父親 イリア=逃亡者の母親だそうだ。つまり、前者は元々自らの仲間であったのだが、後者を連れて逃げたと考えれる。

 彼等に行った敵の鬼畜問答無用具合や、逃亡者イリアの事、ルキア達もまた逃げた事を思うと、僕と君の敵もまた、黒の教団である様に思われるのだが如何なものか。

・本当に受け継がれるのは 三曲目『神々が愛した楽園』はMMORPG『ベルアイル』のタイアップ曲として、領主Revo曰く、親から子へと受け継がれてゆくもの(ゲームシステムとして、そう言うものが存在する)がテーマだ。

 成る程、一聞した限りでは受け継がれるものとは、白き翼であり、黒き剣であり、それらに込められた思いであり、『終端の~』で語られた少年(=ルキアの息子)と同じに見える。

 だが、よくよく歌詞を読んでみるとどうも違う気がする。

 具体的に言うとこの部分だ。

 故郷を喪った仔らは忘れない…
 父の無念を…母の哀しみを…嗚呼…遠き大地を…

 少年は白き翼を得るでしょう…そしてその翼が折れても…
 まだあの空へと詠うのでしょう…愚かなる《人々》の願いを…
 嗚呼…少年は黒き翼を取るでしょう…そしてその剣が折れても…
 またその仔らへと託すのでしょう…遥かなる《年月》の祈りを…


 人々=たみ

 上の部分は、仔ら(『緋色の風車』にて語られた少年と君だろうか)が忘れない想いである、がしかし、それは家族との楽しかった思い出等では無く、そこから仔らが抱くだろうと感じられる感情は復讐のそれである。そう、かつてルキアが間違っていると否定したあの論理だ。

 また、下の部分で、『翼が折れても』『剣が折れても』と歌っているが、『終端の~』には、

『嗚呼…どんなに強い向かい風であれ決意という翼を折ることは出来ない!』
         『どんなに強い風でも其の


 とあり、『神々の~』との矛盾を感じる。

 或いは別の少年と言う可能性もあるが、それならばタイトルにわざわざ『少年は剣を…』等と言うものは付けないだろう。

 その他にもこの曲の歌詞は、第四の地平線『Elysion~楽園幻想物語組曲~』を思わせるものが多々(冥府の水面、天秤、そもそも楽園)あり、あれのテーマが『愛憎』であった事を思えば、ただ受け継がれて行くだけとは考え難い。

 さてさて、これをどうするか。その答えは、『Roman』にあると思われる。

・第五の地平線
 スタッフ紹介がある4Pの先のブックレット5P目には、

 《5th ROMAN『少年』が口吟むは『洋琴』の詩…》

 と共に、数字が書かれたトラックリスト(五十音表に直すと意味のある言葉になる。恐らく語っているのは母ルキアだと思うが、ここでは割愛する)が載っている。

 曲では無音の四秒を超えた後の五曲目『Bonus Track』は悲壮感漂うピアノのインストである。

 この二つを持って、『少年は剣を…』が、『Roman』に繋がるのは明白だ。

 では、一体どの様に繋がるのか。そのヒントはたった一つだがしかし、情報源としては余りあるとらのあなの予約ページにおいて、それを推測する事が可能だろう。

 中央に立つのは白銀の髪の青年。

 それに隔てられる様に、左右で対極を現す背景の空。

 同時に、青年と手を繋ぐ背景の空と同じ色の同じ顔の少女二人。

 背景には左から、

・燃え盛る風車と二つの人影(緋色の風車?)
・犬らしき影と一つの人影(澪音の世界?)
・血を出している様に見える赤毛で白い服の人影(Stardust?)
・黒き剣を手に持った黒い人影(少年?)
・墓(像?)の前に立つ大人の様な人影と子供の様な人影(髪型的にアビスとエリス?)
・泣いてる様に顔を伏せる少女
・三つの赤いボトルと、髪を掻いてる様な麦藁の人影
・白い天使と背中合わせの人影

 解説によれば、『Roman』は生と死とその狭間から見た浪漫をテーマとした11の曲だ。また下側に描かれた揺り籠から棺桶までの人間の遍歴は、左右でループしていると考えると11つの過程であり、右側の少女を生、左側の少女を死、真ん中の青年を狭間とすると、背景の9つの絵と合わせて11となる(少女達を抜かし、焦点たる青年のみで、特徴の無い二つの人影を足せば、これでも11だ)。

 さて、ここからは完璧に憶測で語る。いや、先までもそうだったが、これからはその比では無く、完璧にだ。

 まず中央の青年は、髪の色及び繋がりから察するに少年の成長した姿だ。左右の少女は『緋色~』に出てきた君である。挿絵には燃える風車と共に手を握って逃げる僕と君の姿が描かれている。

 しかし、予告ページへのバナーを見るに、この青年は(青空の)左目が赤、(夜空の)右目が青のヘテロクロミアだ。少年の目目だった。また君も一人であり、双子であると言う記述は無い。これはどう言う事だろうか。

 それを解説するのは、一曲目冒頭で大塚明夫氏が語る

  → これは
 終端の王と異世界の騎士達との
 壮大な戦いの序曲である……


 と言うナレーションや、『神々~』のでも出てきた、《門》(ゲート)と言う言葉だ。

 最初、このナレーション及び言葉は、タイアップ作品である『カオスウォーズ』を示す言葉だと思った。カオスの内容が、各種ゲーム会社その垣根を越えてそれぞれのゲームのキャラが一つの世界に揃うと言うものだからだ。

 しかし、今作の中にこれ程SH世界に対する修辞が散りばめられた中で、この部分だけ全くの無関係と言う事はおかしい。また『神々の~』にも《門》と言う言葉が出るのは解せない。

 『終端の王』(The Endia)が書の魔獣を思わせる風に語られるのだ、異世界の騎士達(The Knights)もまた同様に、SH世界における別の何かを差す言葉であるに違いない。

 そこで気になったのが、『緋色の~』の配置場所だ。時代的には恐らく一番古いだろうこの曲が、最初でも最後でもなく、その狭間で歌われてるのはまた何故か。

 これが完璧に憶測なのだが、異世界の騎士とは、『緋色の~』を契機とし、『終端の~』が示す生の世界、『神々の~』が示す死の世界と言う二つの可能性に別れて育った少年=青年の事では無かろうか。つまり、多元世界論だ。

 こう考えると、少女が二人いる事も説明がつく。同時に、青年が片方だけ赤目なのも『神々の~』で語られた黒き剣=復讐によってそうなったのではなかろうか。それを示す様に、Yokoyan絵師のサイトでは、黒き剣から伸びる赤と黒の力に呑まれようとする少年の絵が掲載されている。

 そこで生まれる疑問は、では何故ヘテロクロミアの色が空の色と対応していないのか、何故青年は生と死の狭間で苦悶の表情を浮かべているのだろうか、と言う事である。

 ここで予約ページの文章を引用する。

"
其の狭間で現在を生きる者達の歓びと哀しみを綴った詩。11の幻想曲が複雑に絡み合い紡がれる音の地平線。2006年晩秋、物語組曲の開拓者――。幻想楽団【Sound Horizon】が満を持して世に放つ意欲作。
生とは何か?死とは何か?彼等が生きることの意味とは――。嗚呼...果たして其の世界に君が生まれるに足る浪漫はあるのだろうか?
"


 恐らく生世界にて青年が歩んだ道は、ルキア、そして図らずも歩んだであろうアーベルジュのそれと同一だと思われる。つまり、『歴史は改竄を許さない』だ。

 だからこそ青年は苦悩し、かの様な苦悶の表情に至ったのでは無いか。そして、青い瞳の青年はある意味では救いである死の世界に憧れ、赤い瞳の青年はその逆に憧れたのでは無かろうか。その果てにこう問うたのだ、

「そこに ロマンはあるのか」

 問題は『歴史は~』の言葉を出すと、多元世界論がどうなんだ、と言う話になる。

 そこでふと思ったが、最終的に、結果的にAとなる場合だ。

 つまり、どちらの道(世界)を辿ろうとも、最終的には苦悩する事になるのならば、どちらでも同じと言う事になり、改竄を許される事無く、別々の可能性が存在し得るのでは無いだろうか。

 或いはもっと単純に、黒の神子であるルキアの青年としての力なのかもしれない。



 気付けば、何やら長々と書いてしまったので、まとめ的『Roman』予想。

・『Roman』の青年はルキアの息子=少年が成長した姿
・『緋色の~』を元に二つの道を歩み、最終的に一つの道へと着いたのが今の青年
・『Roman』とは生の道と、死の道でそれぞれ見て来た人々の苦悩の物語。
・そして、その狭間に立つ事となった青年の苦悩の物語。
・これらを通して語られる浪漫

 と言う訳で、考察して見た。後半、と言うかその大部分が妄想妄言であり、今の状況では実はどうとでも解釈する事が出来ると言う事実は全く否定出来ないし、する気も無いが。

 そんな所で、『Roman』の発売を楽しみにしつつ、

 もし予想が当たったら自慢しよう。

 少し予想が当たったら誇張しよう。

 大外れなら、書の魔獣に飲み込ませよう。


 その魔獣は止まらないー
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