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2007.01.06 立喰師列伝
 割と大作が続いてちょっともたれて来たので、原点に返り『立喰師列伝』を見る。何度目かは忘れた。
 何度見ても、この作品は純粋に面白い。ハリウッド映画の様なド派手な映像にアクションをこれでもかと盛り込んだ映画も嫌いじゃなく寧ろ好きだが、自分は押井守映画の方が馴染む。

 このセンスはまぁ好き嫌い分かれる所だろう。嫌いな人から見れば、「訳の分からないただの自己満足」であろうし、「難しい事を言って中身がある様に見せているだけ」でもあるだろう。しかし、自分はそのセンスが好きなのである。

 更に言えば、この様な映画を取れる監督が、日本で、いや世界でどれ程居るだろうか。少なくとも監督の名前言って、嗚呼理屈っぽいな映画撮る犬顔の人だと、思い浮かべる監督がどれ程居るだろうか。自分は殆ど思い浮かばない。

 さて、監督の話はさておいて本編の話であるが、繰り返しになるけれどやはり面白い。

 まずは立喰師達の所謂『ゴト』で、特に牛丼の牛五郎、ハンバーガーの哲の二人は、確実に笑える事然りだ。「システム崩壊の予兆であった。」とか『「奴は……プロだ。」生卵を掛けない事が決め手であった。』とか。他の立喰師達も勿論笑えるが、それだけで無く、月見の銀二やフランクフルトの辰等、深く考えさせられる内容である。

 またそれだけで無く、出演している役者が全て監督の身内である事も笑える要素であろう。監督の娘が気の毒なハンバーガーショップの店員だとか、プロデューサーを殺される役で出すのだとか、凄い屈折した笑いがそこにある。個人的には川井憲次の「ハンバーガー……ヒャッコ!!!!」に大いに笑ったが。

 全体を通してそこにあるのは、自らの身内達が演ずる、言ってしまえば無銭飲食者で軽犯罪者である立喰師と言う架空の存在を饒舌な講釈と屁理屈を押し並べて大真面目に語る事で生まれる大変に高尚な笑いであろう。それを、パタパタアニメ的な映像によるドキュメンタリー方式で実によく描いていると思う。

 そしてそこには監督の、所詮そんなものだと言う皮肉も伺える。イノセンスと言う圧倒的クオリティの映像作品の後で独特な、正直に言えば余り金掛けてなさそうな映像で、くだらない事をさも偉そうに語る事で、世に蔓延るどんなに高尚なものも(自らのも含む)その程度のものなんだ、と捕らえる事が出来よう。また、もっとくだらないものがくだらないままであった時代を懐かしむと共に、その様な存在無き現代を、現実が虚構に取って代わり、しかしその現実もまた虚ろである現代を批判、と言うか対比しているとも取れる。まぁこれは大変に穿った考えだろうが。

 実際は、好きな相手で好きな作品撮りましたっなだけな気もするがな。

 まぁ、それはあくまで受け手がどう捕らえるかの問題である。

 と言う訳でこの作品は、押井守監督のセンスについてゆける人。あの人の凄い理屈っぽい長台詞、押井節を聞いても辛くならずに逆に楽しめる人。またハリウッド的大作に飽きて、変わった映画を見たいと言う人にもまた大変お勧め出来る作品であるので、興味が沸いたら是非。

 そういえば、小説の方をまだ読んでなかった。丁度お年玉も貰った事だし、先日見ようと思って探すも何処に行ったか解らなくなったAvalonのDVDと共に購入するか。
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