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 映画では無いが。『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』を見た。
 神山監督は、押井守監督の高弟であるな。師匠の良い所を受け継ぎつつ、独自の路線を進んでいる。

 このシリーズは、現在最もレベルの高いテレビアニメ作品と言っても過言では無いだろう。その(今の所は)最新作となる訳だが、今作も実にクオリティの高い作品となっていて安心した。

 映画としても十二分に通用する映像に、菅野よう子の幻想的な音楽、少子高齢化や外交等の時事問題を取り組みながら、伏線やオマージュを盛り込んだ内容の濃い脚本と実に面白かった。

 ただ少々難を上げれば、二時間近い時間であの内容をまとめた為、特に前半の流れが急になってしまった。新生九課の方も、いまいち描ききれていなかった。正直、これはTV放送として、二クール程に分けてやるべきだったのでは、と思うが、そうすると他の質が落ちてしまうので、難しい所であるな。

 また、内容からは離れるが、新生九課にてあのトグサがとうとう義体化を敢行した事に驚いた。しかもマテバを使わない。行き成りオートマを使っていて、あれ?と思ったのだが、即座にフォローされたのを見て、嗚呼このスタッフは良く解っているな。ただ、○○○○とサイトーさんの出番がもっと増え(いやまぁボーマやパズに比べればマシだがあの二人は地味キャラだし)傀儡廻の声が家弓さんであればもっと良かったのだが。

 所であのラストであるが、なかなか凄い落とし所だと思った。士郎正宗の原作は何と未だに未読である為、あくまで映像作品として世に出たもので自分なりに解釈してみる。

 S.A.C第一期では、笑い男事件を通して、ネットを媒介としたある存在の模倣者達の大量発生=S.A.Cについて語られた。これはGhost inthe Shell(以下GS)で人形遣いが言った電脳化する事の社会における意味と言えるだろう。それへの解答は、好奇心=個々人が情報に惑わされず、自ら考えて行動する事であった。

 2ndGIGでは、模倣者の原型となる存在を意図的に作り出そうとするゴーダを通して、S.A.Cの発展形が示された。人為的に助長され、最早歯止めの利かぬS.A.Cに際し、クゼは人形遣いと同様、より高度な存在への進化、ネットを媒介として情報を得るのでは無く、ネットそのものと融合する事を啓示した。そこで素子が融合する道を選んだのであれば、GSと同じ結果となっていただろうが、それは好奇心を超えたもの、タチコマやバトーが示した、チープな台詞だがピュアな愛情に別の道を見出す事で、GSとは別の結末を迎えた。

 そしてSSSとなる訳だが、今作ではS.A.Cから一歩進んだ、正に個が並列化した末の固体化状態=SSSが敵として現れた。そして、その中心に居たのは『傀儡廻』と呼ばれる存在だった。その正体は……であったのは、凝り固まった一人よがりの個である限り、S.A.Cと化すのは免れない、と言う皮肉だろう。(厳密にはあれはS.A.Cでは無く、これから起こるだろう現象だと思うが)最後のシーンは、それをして出たものであると思われる。ただ、その側にはまた彼がいる訳だが。また同時に、あれは作品自体に対する皮肉(日産とのコラボ、GSの別解釈=ある意味では模倣として続いている事)でもあるか、と思ったが、それは穿ち過ぎだろうな。

 イノセンスも、ある意味ではSSS(そして2ndGig)と同じであったと思う。と、言うか、逆か。SSSがイノセンスに対する解答だそうだから。GSで肉体を捨て、ネットと融合した素子と、ネットとの融合が最上だとしても特別な感情を抱かざるを得ない人の形=人形や犬等ネットでは得がたい存在を捨て切れないあくまで人間であるバトーとの愛(と同時に、そう言った存在への憎しみの物語。当然ながら、愛憎は紙一重だ)の物語がイノセンスであったのだと、自分は解釈しているが、その意味ではSSSのあのラストは成る程、と思わされた。

 と、まぁそう言う訳で、シリーズ三つ目として、あのラストはなかなか良かったと自分は思う。ただ、先にも行った通り、少々詰め込み過ぎなのが難であるがな。

 因みにまた続編があると思って良いのだろうか?個人的には、解決策が啓示されたとは言え、充分描き切れたとは思えないので、今作をテレビ版として新しく作るか、あの台詞を言ってしまった以上は本当の意味での完全オリジナルとしての独自路線による新作を見てみたいものなのだが、果たして。
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