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 草原の王と異世界の戦士達
歴@蛇睨
 丸々二週間ぶりになるだろうか。今日は、もとい、始めまして、草薙歴だ。

アリス@毒白
 …多分誰も待っていない…どうも、アリスです…二人の詳細は過去ログを漁って…。

歴@蛇睨
 さて、銀雨ことシルバーレインの世界観を、気の向くままに考察するこのコーナー。今回は前回から引き続き『世界結界』についてだ。何故結界は13世紀から14世紀の間に築かれたのか。何が地球規模の結界を齎したのか。それを考えて行こう。

アリス@無表
…この前は、『アメリカ大陸未発見なのに何故地球規模の結界を張れたのか』を考えて、最後に仮説を二つ出して終わったけど…

1.世界結界を張った人々は当時未発見の地域について知っていた

2.世界結界を支える当時の人々の思い込みの力が地球規模だった

歴@蛇睨
 そうだ。詳しい事は前の頁を見て貰うとして、1から解説して行こう。

 その為に、まずこの文章を読んでくれ。

 かつて、全ての人類は≪能力者≫であった――――。
 世界は、驚くべき怪奇と神秘に満ちていた。
 生と死、大地と宇宙、全ては隣り合わせにあり、
人類は生き延びる為に、己の内にある超常の力を以って、
絶え間ない殺戮の中に在らねばならなかった。
 人類は、己の持つ炎を放ち大地を穿つ程の力と、
それを高める「詠唱兵器」を手に、蘇る死者や異世界よりの
来訪者を退け、自らの生存圏を防衛していたのだ。

『初めての方はこちら』世界結界と700年の忘却期
 より

歴@蛇睨
 注目すべき言葉は最後の行にある、『異世界よりの来訪者』だ。この世界で生きる者ならば、蘇る死者は解るだろう。何せ今戦っている敵だからな。然るに、この来訪者とは一体何者なのであろうか。

アリス@無表
 …神や悪魔…?

歴@蛇睨
 そうかもしれない。違うかもしれない。異世界としか述べられていない以上、誰々と答える事は出来ない。

アリス@無表
…本末転倒な…。

歴@蛇睨
 まぁ待て。だからこそ、例えば多次元世界論に基づくもう一つの地球から来たとも言えるし、人智を遥かに超えた世界からとも言える。重要なのはそこじゃなく、その世界は人々が知らない事を知っていると言う事だ。異なる世界なのだから、当然異なる文化、知識を持っている筈だ。

アリス@無表
 …彼等との戦いの中で、結界を作った人々は当時知る事の出来る筈の無い情報を手に入れた、と…。

歴@蛇睨
 うむ。戦いとはある意味では交流だからな。これが仮説1な訳だが、もう一つ、『異世界』と言う言葉がメタ的な意味合いであった場合がある。

アリス@無表
…と、言うと…?

歴@蛇睨
 本当に別次元の異世界と言う訳では無く、自らの感覚としての異世界、と言う事だな。

アリス@毒白
 …解り難いわ…。

歴@蛇睨
 それを今から説明しよう。これは仮説2にも当てはまるのだが、そこで歴史の話題に入る。

アリス@無表
 …ようやくあなたの分野ね…。

歴@蛇睨
 本当にな。ではそれについて解説しようと思うが、一言言っておかなければならないのは、今からするそれは、欧州史感から見たものだ。

アリス@無表
 …欧州好きだからね、背後…。

歴@蛇睨
 ああ。だから、それを中心に取り上げる。この立場を予め理解して頂けると幸いだ。さて、時は遡る事900年前、11世紀。

アリス@毒白
 …あれ、結界が張られたのは…。

歴@蛇睨
 13世紀末から14世紀初頭と言う話だ。だが、ある歴史的事象を語るには、さらにその前の歴史的事象を語らなければならない。歴史と言うのは流れだから、一つを説明する為に、それが起こる理由である一つを説明し、さらにその一つを説明する為に……と、どんどん遡る必要がある。

アリス@毒白
 …うわー…面倒くさくて涙が出るわ…

歴@蛇睨
 言うな。まぁだからこそ、適当な所で見切りを付けるんだがな……こほん。

 改めて11世紀。宗教問題から東西に分裂し、西は滅べど今だ健在の東ローマ帝国…俗にビザンツ帝国と呼ばれるが、当時はただローマ帝国と呼ばれていた…は未曾有の危機に陥っていた。イスラーム帝国セルジューク朝率いる黒い肌の戦士達がアナトリアに進出、占領したのだ。脅威を感じた東ローマ皇帝は、西のローマ教皇ウルバヌス二世に支援を求めた。1095年、教皇はクレルモン公会議を開き、聖地イェルサレム奪還を人々に呼び掛けた。それを受けて、騎士達は立ち上がった。

"Dieu le veult!"(神の御心のままに!)

 かくして、あの有名な十字軍が編成され、ここにキリスト諸国対イスラームの長きに渡る戦いの火蓋が切って落とされたのである。

アリス@無表
…おー…格好良い…

歴@蛇睨
 と、思うだろうが、実際はドロドロでな。教皇はギリシア正教会支配の東側への影響力を高める事を考え、騎士達や傭兵達は名誉とそれより何より戦う場を求め、民衆は東側を救うと言うよりも当時流行っていた聖地巡礼の熱狂から、そして商人達は己の商売の為に立ち上がったらしい。だから略奪蛮行当り前、13世紀初頭に行われた第四回十字軍では、ヴィネツィア商人らの思惑から、東ローマのコンスタンティノープルを占領してラテン帝国を立てる等と言う、当初の目的とはかけ離れた行いをした。

アリス@毒白
 …駄目じゃん…。

歴@蛇睨
 まぁ人間なんてそんなものだ。さて、この辺りなかなかな面白いので詳しく話したいが、関係無いので端折る。重要なのは、この十字軍によって、東西交流が行われた事だ。勿論、十字軍以前にも交流はあったが、その比では無い。異なる外見、異なる言語、異なる宗教を持った、即ち異世界に住む者達がお互いを知る事となったのである。

アリス@無表
 …あぁ、それで異世界…

歴@蛇睨
 そう言う事だ。この後、イタリアでは先の商人達による繁栄と、ビザンツ辺りから入った古代ローマ・ギリシア的文化による神では無く人間本位の古典文化復興、即ちルネサンスが花開き、イベリア半島では国土回復運動レコンキスタが本格化して行くのだが、それは置いといて。今度はさらに東、中国の話をしなければならない。

アリス@毒白
 …背後が受験の時苦戦した辺りね…

歴@蛇睨
 音を覚えれば良い世界史の中矢鱈漢字が出て腹が立つとか抜かしてたな。ともあれ、話を進めよう。時代は12世紀半ば、場所はモンゴル高原。そこに、一人の男が生まれた。

 彼の者は狼と鹿の名を持つ神なる人の血を受け継ぎて高原に立ちし者

 また、日本から敵方に追われ、逃げて来た将軍の末路とも呼ばれる者

 彼こそ、後にローマ帝国を凌ぐ大帝国となるモンゴル帝国の祖にして初代ハーン、チンギス=ハーンである。

アリス@毒白
(気の抜けた拍手)

歴@蛇睨
 彼と彼の子孫が支配したモンゴル帝国は凄かった。東は日本、西は欧州にまで、凄まじい勢いで侵攻した。

アリス@無表
 …元寇ね…神風…

歴@蛇睨
 ヨーロッパだと、ドイツ・ポーランド連合軍をぶちのめしたヴァールシュタットの戦いが有名か。意味は「戦死者の地」その名の通り独波連合軍に恐るべき数の死者を出させ、ヨーロッパを震え上がらせた。尤も、日本なんかとは昔ながらに貿易もしていた様だがな。

アリス@無表
 …ふむふむ…

歴@蛇睨
 この様にまさに世界を目指して邁進した帝国も、最終的には自国の財政難と宗教問題で縮小を余儀なくされてしまうがな。

アリス@無表
 …奢れる者も久しからず…。

歴@蛇睨
 唯春の夜の夢の如し。さて、そんな帝国がまだ最盛期で、モンゴルの平和パックス=モンゴリカと呼ばれていた頃、整理されたシルクロードを通って多くの外国人がやってきたが、その中にあるヴィネツィア商人がいた。誰だか解るか?

アリス@無表
 …ヴィネツィアの商人…マルコ=ポーロ…?

歴@蛇睨
 その通りだ。彼が獄中で口述記録させた『東方見聞録』は、東西交流の折に入って来たあるものと相俟って、ヨーロッパに対するアジアへの関心を高めた。

アリス@無表
 …胡椒ね…

歴@蛇睨
 そうだ。当時まともな保存技術の無かったヨーロッパでは、味も匂いもきつい腐り掛けの肉や塩漬けの魚を食べる他無かった。その臭みを消し、食べれる様にする香辛料はまさに魔法の粉として重宝され、貨幣の如き価値を帯びていた。だが、シルクロードを経由して届くそれは存外に高い。

アリス@無表
 …そこで人々は、別ルートからの入手を願った…

歴@蛇睨
 そう、海からのルートだ。人々はルネサンス時代に普及する三大改良の一つである羅針盤の発達で遠洋航海が可能となり、国土回復運動の熱望を伴って、大海原へと乗り出して行く。大航海時代だ。

アリス@無表
 …で、コロンブスの手により、まだ見ぬ大陸へと辿り付き…

歴@蛇睨
 そこから得た大量の銀と、人口増加により価格革命、商業革命が巻き起こり、世界的な分業体制である近代世界システムが作られ、時代は近世へと移ってゆく。

 長くなったが、そろそろ本題に戻ろう。この様に、13世紀末から14世紀初頭は、中世から近世へと至るその中間であり、中世の終わり、近世の始まりが始まった時代、今だ根強く残っていた神秘の暗黒に、光が差し込み始めた時代だったんだ。

アリス@無表
 …だからこそ、この時代に世界結界は築かれた…?

歴@蛇睨
 或いは逆かもしれない。築かれたからこそ、この様な歴史となったのかもな。ただ一つ言える事は、少なくともこの頃に、二つの異世界が結ばれ、大いなる帝国が世界を目指し出し、そうした有象無象が如意混ぜとなって大いなる世界へと至ろうと人々が歩み始めた。

アリス@無表
 …その時代の流れこそが、世界結界を保つ力となった…と…

歴@蛇睨
 ああ。言い忘れていたが、大航海時代に至ろうとすると、天動説と言う神秘が揺らぐのも、重要な事だろう。

アリス@無表
 …何と言うか、こじ付けにこじ付けを重ねてる様な…

歴@蛇睨
 最初からそうだと言明してあるよ。それでは、長いので仮説2のまとめとしよう。

・十字軍による東西の文化的商業的交流で、人々は異世界を知り、世界の広がりを知った

・同時にモンゴル帝国と言うもう一つの異世界が、更なる大世界を目指し、二つの異世界と繋がった

・これらの交流の結果人々は大世界を目指す熱意を抱き、それ故に神秘を捨てる事となった

 尚、文化的交流には当然魔術的交流も入る。

アリス@無表
…ヨーロッパ、アラビア、中国、そしてそこから派生して日本の者達が結び付いた…

歴@蛇睨
 ああ。そこで各々の地域の魔術師達が結界を築いたのでは、と思う。幾ら何でも、ヨーロッパやアラビアだけでは、どれ程の熱意があろうと地球規模の結界は無理だろう。ひょっとすると、ヴァールシュタット辺りで死人が蘇り、その必然性を感じたのかもしれないな。

アリス@無表
 …まぁそれは確かに…しかしまぁ、仮説1より長いねこっち…

歴@蛇睨
 そこら辺りは、まぁ私の趣味もあるんだがな。

アリス@無表
 …ふむ…所で私、異世界と聞いて、一つとってもぴったりな世界が思い浮かんだんだけど…

歴@蛇睨
 ほう?それは何処だ。

アリス@毒白
…The Earth…

歴@蛇睨
 確かに元々は一つで、対峙してる事を思えば適任だが、そのネタは不味い。



歴@蛇睨
 と言う訳で、世界結界の考察はこれで終わりだ。何分、俄仕込みの知識で語った為に、多分に間違いがあるが、そこは存分に指摘して頂きたい。また、これはこうじゃないか、と言う意見も大歓迎だ。

アリス@無表
 …尚、次は『詠唱兵器』についてを予定していますが、少し微妙なので変更するかもしれません…。

歴@蛇睨
 その辺りの曖昧さは、ご勘弁願いたい。それでは、またいづれ。

アリス@無表
 …いづれ…。
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