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 個人的に最も好きな俳優の一人、ジョニー・デップ演ずる『本の探偵』ディーン・コルソが、悪魔と関わりがあると言う書『影の王国への九つの門』を巡る陰謀に巻き込まれると言うスリラー映画だ。監督はまだ見ていないが、『戦場のピアニスト』のロマン・ポランスキーである。
 ポランスキー監督の作品をちゃんと見るのは恐らく今作が始めてだが、正直良く解らなかった。いや、物語の事を言っているのでは無い。この監督が何を言わんとしているかが解らないのだ。

 スリラーと宣伝されてはいたが、正直スリリングさは余り無い。絶えず一定の緊張感が保たれており、それがぶれたり切れたりする事が無いのだ。緩急が無い為に終始一本調子で、見ている側の予想を何ら超える事も無くラストへと向かい、そして終わる。

 その終わりもさらりと、こちらを裏切らず流れのままに迎えてしまう。意外性だとかそう言うのはとことん無く、嗚呼きっとこうだろうな、と漠然と浮かぶ考えのままに。

 始まりから終わりまで、一切の驚きも無く成るべくして成る様な話である為、娯楽性が薄く、さりとて教養性も無い。(ネタバレ)九つ目の扉を開き、そして入った。で、それがどうしたんだ?と言う事だ。

 原作があるらしく、そちらを読んでいない為元々どんな話だったかは解らないが、映画としてはこの様に監督の言いたい事が伝わって来ず、ちょっと首を傾げたくなった。コルソをあんな子悪党では無くてとことん善人か或いは悪人に描く、本の挿絵の暗示についてもっと解説する等行えば、物語もその終わりも違っていたと思うのだがな。ネタとしては面白いのに、ちょっと惜しい。

 ただ、雰囲気は実に良かった。特に科学の光に照らされながらも暗黒中世の闇を払拭しきれない浪漫溢れる近代の息吹が今でも聞こえてきそうな欧羅巴での画は実に良かった。古書とその謎を巡る物語としては実に相応しい舞台を構築している。そう言ったものが三度の飯より好きな自分は、それだけでも楽しむ事が出来た。

 他の作品を見ていない為、恐らくと言う過程の話になるが、この監督による作品の楽しみ方と言うのは、そこにある気がする。物語を楽しむでも、訓辞を受け取るでも無く、ただただそこにある空気を感じる。個人的にはそう言った楽しみは嫌いでは無い、寧ろかなり好きだ。

 しかし、空気だけではお腹が膨れない訳で、監督の感性と言うかその色は良いのだから、もう後一歩踏み込んでもらいたい、と思った次第。少なくともこの作品では。雰囲気は良いのだが、やはり物足りないな。ジョニー・デップのこう言うキャラも凄い好きだし素敵なのに、勿体無い。

 まぁその辺りはもう一本借りて来た『オリバー・ツイスト』を見てから考える事にしよう。
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