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 店員割引が効くと思うと、ついつい見るの遅らせてしまう。

 と言う訳で先程『オリバー・ツイスト』を見終えた。実質徹夜。
 で、感想だが同じロマン・ポランスキー監督作品の『ナインスゲート』よりこちらの方が面白かった。

 まず何よりも雰囲気が素晴らしいな。流石に金掛けただけはある。これはナインスゲートでも同様だったが、舞台造りは本当に上手いと思う、この監督。いや、十九世紀英国を堪能させて貰った。貧民街の喧騒や道路の汚らしさ、街組みとか素敵だったね。

 で、前作納得行かなかった物語的部分は結構満足。

 例によって原作は読んでいない訳だが、今作は新救貧法に対する社会批判を重視していると言う。成る程、確かに所どころそう言った弱者に対する社会の仕打ちを批判するシーンがある。子供を搾取する事しか考えてない大人達。市民の話を一切聞こうとしない判事。自分で考える事をせず、ただ回りに影響されるだけの市民達。

 しかし、この映画はそこから一歩進んで、社会に置ける個人のあり方を示していたと思う。

 主人公のオリバーは終始流れに流されるだけで自分からは殆ど何も出来ない(九歳と言う年齢からすれば当然ではあるが)少年だが、一貫していたのは自分が今大切に思っている相手、恩を受けた相手への恩を忘れないと言う点だ。例えば、母親を侮辱された時に激怒したり、飯と宿をくれたフェイギンにドジャー、孤児の仲間達には信頼を寄せた点だ。その後、もっと強い恩を受けたブラウンローへと恩情が移ってしまうが、まぁそう言う心変わりの早さも含めて、彼には子供らしい純粋さが穢れる事無く宿っている。また状況に翻弄されているだけに見えて、ぎりぎりの所で踏み止まる勇気もまた持っていた。そこが登場人物達を魅了した点であろう。ちょっと観客である我々からすると、主人公の癖に主観性が無くて微妙と思わなくも無いが。

 そんな彼が最後、自分の意思によって絞首刑になろうとするフェイギンの元へ怯える事無く赴き、神に向けて錯乱した彼の赦しを請う。最初籤でお代わりを求めさせられた少年が、である。それはオリバーの一抹の成長であると共に、個人が全てを救う事は容易では無いが同じ個人の救い手にはなれるのだと解釈出来よう。たとえ貧富の差に苦しめられていても、力の無い子供であっても。

 貧困と差別は今でも確かにある訳で、十九世紀に描かれた今作での問題を二十一世紀を生きる我々もまた無視出来ない。また社会と言う全体に対し、個人等余りに小さ過ぎる。しかし、それでも一人の人間として、全体に流される中でも道徳を持って思考し、行動出来るのでは無いか。そう言う事をこのオリバー・ツイストの物語から考える事が出来よう。

 かく言う訳で『オリバー・ツイスト』だった。個人的にはそれなりに良作だと思う。まぁ、アカデミー賞モノかって言うと大いに首を捻りたくなる内容であり、他の作品の方が評価高い訳だがな。
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