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 ウォーハンマー三部作第二段は我等がヒロインの名を冠した短編集である。収録されているのは三篇程。ジュネが出演している事と、彼女が進む時間軸によって物語が進んでいる事を抜かせば余り関連性は無い。

 それではそれぞれの作品の感想をば。少しネタバレを含むのでドラッケンフェルズを読んでいない者はここで踏み止まるが宜しい。別にばれようが何だろうが構わぬという者は好きにするといいだろう。
『第一部 流血劇』
 刊行としては第三巻に当たるベルベットビーストの前だが、時間的にはその後に入る。ただし、後述する三巻でのジュネはゲスト扱いなので、彼女の物語として考えればドラッケンフェルズの直接的続編に当たる。

 ドラッケンフェルズとの戦いの後、劇団を始めたデトレフ・ジールックは『ジークヒル博士とカイダ氏』という劇に取り組んでいた。惨劇を乗り越えたからか、吸血鬼の自分と居るからか、劇の中に潜む人間の闇に惹き付けられるデトレフ。そんな彼を心配するジュネの二人に、ドラッケンフェルズが遺したクリーチャーの影が迫る。

 『ジークヒル博士とカイダ氏』という名前の響きから一発で解る通り、この作品は『ジーキル博士とハイド氏』をモチーフにしている。そして元になった作品通り、心に巣食う闇と良識という光の拮抗、その二つを表面上覆い隠す仮面がテーマ。

 やはり描写が素晴らしく、世界に引き込まれるものがあった。登場人物達も一癖二癖あって面白い。特に良かったのは落とし戸の悪魔(ディーモン)であり、今作は彼が主役と言っても過言ではあるまい。クトゥルフ的異形の怪物になっても尚人間であり続けた脚本家の姿はこの作品のテーマを如実に現すものであろう。

 しかしこの人は他作品からの引用が実に上手いな。他人の物語である筈なのに、さも自分のものであるかの様にしてしまう。物書きを目指すものとして、真に尊敬に値する次第だ。

『第二部 永遠の闇の家』
 第二部は、一部の都会的雰囲気から一変、荒野に聳える屋敷が舞台だ。

 さて、この作品の評価なのだが……正直な所、自分では難しい。一つ言える事は、ジャック・ヨーヴィル=キム・ニューマン先生の日本風英国式幻想型超絶素敵オタクマインド全開不条理劇という所だろうか。

 何せ殆どの登場人物達の名前と設定をゴシック小説からの引用しているのだと言うから恐れ入る。ジュネも登場するが前章と矛盾する描写をされており、多くの奇奇怪怪な者達が一堂に会して話が進む事や古き良き怪奇描写と相俟って、実に混乱させられた。

 一応最後の辺りで矛盾の訳が判明し、ジュネを中心としたウォーハンマー三部作に置ける登場人物達には納得の行くオチが付くのだが、屋敷の住人であるユードルフォ一族のそれには首を傾げる想いだった。恐らく元となった作品を読んでいれば解るのだろうがな。

 これは元になった作品を読んでから、再び読む必要があろう。

『第三部 ユニコーンの角』
 今作はウォーハンマー関連作(今回HJ文庫Gで翻訳されたもの以外にも幾つか短編があるそうだ)におけるジュネの最後の物語に当たるらしい。しかし、その割にはあっさりとした話且つ終わりであるのが残念な所。ドラキュラ三部作の続編が出されるという話があり、ジュネの活躍はそちらでも見られるのかもしれないが、だがそれでも今作におけるジュネの物語にはもっときっちり片をつけてもらいたかった、というのが正直な感想である。まぁニューマン先生の作品は割合さらっとした終わりだが。

 とはいえ、決してつまらなかった訳では無い。狩人と獲物、そして高貴なる者と下賎なる者の対比、ジュネと雌ユニコーンの共感と、感じ入るものがあった。少々(この人はどうもそちらはそれ程上手く無い様だが)ミステリー的には微妙だったが、それでもなかなかに良かったかと。

 というわけで、吸血鬼ジュヌヴィエーヴであった。実際ジュネの出番は想像以上に少ないのだけれど、悪くはなかった。個人的には、流血劇が一番面白かったかな、実にニューマンで。後、なかなかエロいジュネを見る事が出来て良かった。シークエンスとしては第三部のね、内心凄い嫌なんだろうが抵抗する素振りを見せないキスシーンがね、描写も短くて簡潔なんだけど、第一部でのデトレフの本番よりフェティッシュを感じさせ(以下略)
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