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2007.11.15 ヴィドック
 誰も認めなくていいが、『ジェヴォーダンの獣』と並び、理が好きな仏映画が『ヴィドック』である。

 これを仏映画と言っていいかは意見が別れるだろうが、久しぶりに今作を見た。
 きっかけはキム・ニューマン先生=ジャック・ヨーヴィルの某掲示板スレにて、ドラキュラ紀元的作品は無いかという質問に際して、(獣ごと)挙げられていたから。また我がゲオでも、パヒュームの特集で通りの前面に出されていた所であり、折角だから見てみようと獣と共に借りて来た次第である。

 これが公開されたのは2001年であり、中学生であった自分はその半年か一年後かに、ゲオに成る前の同じレンタル屋(FCなのである)で借りて来た事を覚えている。足掛け六年ぶりであり、借りて来たDVDもゲオ前からあったものなので、もしかしたらあの時と同じものかも知れぬと、DVDをセットしながら妙に懐かしく思ったものだ。

 さて、妙に前置きが長くなってしまったが、映画の感想の方に移ろう。

 まず何と言っても映像が素晴らしいな。1830年代、王政復古への革命の気運に燃える仏蘭西の首都、巴里が舞台なのだが、当時の猥雑な街並みが実に良く出ている。内装や装飾も奇怪で舞台を盛り上げる道具として機能しており、また出番こそ少ないが、脇役達も一風変わった者が多く面白い。それらがデジタルペイントされた空に硫黄の煙がかった映像で実に退廃的且つ幻想的に描き出されている。まるで御伽噺の世界そのものを見ているかの様である。幾分か悪趣味な、だが。

 反面、脚本的には何ともかんとも、という所か。怪事件を追っている最中に死亡した探偵ヴィドックの軌跡を追って行くというものなのだが、その繋ぎ方が結構強引であり、ミステリーとしては微妙な所。オチはオチでありがちであるし、テーマも微妙に伝え切れていない気がする。

 また事件の犯人である怪人『鏡仮面』(ここを見ている者ならば、ルリヲヘッドの元ネタと言った方が解り易いだろう)も、魔術師然としたデザインや道化的アクション(あくまで力押しなヴィドックとは対照的な、舞踏の如き格闘は結構見所)素敵過ぎるのだが、それが設定にまで絡んでくるのにはちょっとどうかと思った。前半紛いなりにも科学的考証がされていただけに、最後までそれを通して貰いたかったのである。

 まぁ、その様な整合されていない物語がこの妖しげな世界に一役買っているのも事実だがな。

 という訳で『ヴィドック』話としては少々難があるが、映像や雰囲気は実に愉しめる作品であり、確かにドラキュラ紀元的な内容の映画である。ゴシックが好きな者や、紀元を愉しめた者は、是非一度見て置くべきだろう。

 ああ、後者目当ての者に言っておくと、ジュネ的存在は出ないのであしからず。
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