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 ドラキュラ紀元的作品第二段。ヴィドックに続いてお次はこちら、『ジェヴォーダンの獣』。紀元、というより『吸血鬼ジュヌヴィエーヴ』第三部ユニコーンの角に近い内容だが、一つ感想を書かせて頂く。因みに今回結構ネタバレを含むのでご注意を。
 ジェヴォーダンの獣というのは、十八世紀仏蘭西で目撃された怪物。地元の者達が多数この獣に襲われるという被害を被るも、結局有耶無耶のままに今に至っているらしい。その為、仏蘭西人であれば誰もが知っている話だそうで、今作は今でも謎とされているその事件についての物語である。

 さて同時期に公開された仏蘭西産のアクション映画として、ヴィドックと一緒に語られる事の多いこの今作であるが、アクションとキム・ニューマン先生的ボンクラ度(褒め言葉)ではこちらに軍配が上がるであろう。

 その原因の一端を努めるのが、主人公の王宮博物学者フロンサックに付き従う先住民マニである。

 意味深な獣の暴虐から始まる序盤、略奪兵との戦いになるが、体と棒を使って大暴れ。それも使用する体術がどう見てもカンフーなのである。その時しか出てこないが、実にイカしたコート(鏡仮面同様、ここを見ている者ならば、シルバースキンの元ネタで通じるだろう)を着込み、スローと早回しを使ってばったばたと敵を倒す様は突っ込み所満載であるが、なかなかに格好良い。

 この時点で、この映画が、如何にボンクラであるか解るというものである。

 その後暫くはフロンサックと初見だと可愛いが良く見るとちょっと微妙なおたふく顔のヒロイン・マリアンヌとのいまいち良く解らないラブロマンスになったり、いけすかない仏貴族達との遣り取りや、ただの狼狩りのシーンとなり、ボンクラ具合は成りを潜める。まぁ突発的戦闘でバルログ兵や、多分女装した兵士二人組とマニが戦っている最中に、ヒロインの兄貴で片腕男・ジャン=フランソワがジャン専用銀の弾丸装填済み取っ手付き素敵銃で横槍を入れてくれるが。

 そして、主人公が、ヒロインを差し置いて娼婦といちゃいちゃしながら何故かくっつくという良く解らない仏恋愛を経て中盤からは、もうボンクラ具合は止まらない。獣を操っているらしい獣遣いが姿を現してからは、今まで軽く影が映っていただけの獣も少しチープなCGと着ぐるみ姿(他の所に金を出し過ぎたか)でがんがん登場し、フロンサック、マニ、それから現地での仲間、トマとの獣狩りではその怪物を遺憾なく見せてくれる。その獣狩りのシーンこそがマニの真骨頂で、褌一丁姿でやる獣との戦いは実に素敵である。

 そんなマニが真に残念ながら退場すると、奮い立つのがフロンサックである。最初からお前が戦えば良かったんじゃないかという位に大活躍。その様はプレデターのシュワちゃん、ランボーのスタローン、MGSのスネークを髣髴とさせる程である。

 更に獣を使って陰謀を企てていたジャンとのラストバトルでは、二刀流の剣士として登場。対するジャン。その本性を晒して腕を見せると共にマントを脱いで何を使うのかと思ったら、その獲物が何と蛇腹剣。誰がそんな獲物が出ると予想出来ただろうか。それも紛いなりにも仏蘭西映画で。とどめこそ呆気無いが、二人の戦いは実に色物で素晴らしかった。実はバチカンの密偵であった娼婦も美味しい所を持ってゆくしな、ナイフ付き扇で。

 かく言う訳で今作は実に良い塩梅のボンクラ映画である。ハリウッドには無い真面目さで造られていて、結構テーマとかも出している分、それがもう顕著に出ている。そういう映画が好きであるならば、是非見て置くべきだろうな。
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