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2008.01.06 プレステージ
 という訳でおよそ二日かけて祭りを終えた理である。なかなかに有意義な一時を過ごしたと思う、自分だけで。

 そこでまず一発目、期待の新作『プレステージ』の感想から。
 監督は『メメント』『バットマンビギンズ』のクリストファー・ノーランで、二人の主役の片方は我等が『リベリオン』のガン=カタ・マスター、ノーラン監督とはバットマン繋がりのクリスチャン・ベール。そしてもう一方は、『X-MEN』のウルバリンや『ヴァン・ヘルシング』教授でお馴染み、ヒュー・ジャックマンこっち方面の人にとっては正に二大スター対決である今作は、その二人演ずる奇術師の奇妙な対決の人生の物語だ。

 その舞台は新しき科学と古き魔術の雰囲気が混濁する十九世紀後半であり、また映画に華を添える道具もといネタとしてニコラ・テスラとその偉大なる発明品が登場とあっては、どう見てもこっち方面である理の大好物とする所で、俄然期待していたのだが、それはもう見事に大当たり。実に面白い一本だった。

 が、それについて感想を述べる前に一言言わせて貰いたい。

 見事に騙された

 と。

 いや、言い訳させて貰うと、ネタとオチは解った、解ったのだ。嗚呼こういう事できっとこうなるのだろうな、と。解ったのだが、それの隠し方が巧みであり、同時に単純でもあった為に失念してしまったのだ。それ故に、あの最後のシーンでは悔しい思いをさせて貰った。確かにトンデモなオチではあったが、妙に納得出来るもので、説得力は感じられた(まぁ、理の趣味趣向も多分にあるのだが)それは同時に心地良い悔しさでもあった。してやられたっという具合の。そういった感覚こそがこの映画の面白味であり、テーマであるとも言えよう。

 キャッチフレーズ『騙されるな。この映画そのものが、トリック。』とは正にその通りの言葉だ。劇中で語られるマジックの三要素、プレッジ、ターン、そしてプレステージはこの映画の流れそのものである。”偉大なるダントン””教授”。マジックに掛ける熱意は同じでも、その思想から方法、趣向と真逆の男達。互いが手に入れた相手の日記を通して、時間軸を変えながら描かれて行く二人の争い、そして訪れ行く結末の描き方は実に見事で、流石『メメント』の監督という所だろう。

 その結末、一応片方が勝利した事にはなるのだが、よくよく考えると、ちょっと待てよ、となる。最初に自分は騙されたと言ったが、それは良い騙され方だった。キャッチで言う様に身構え、騙されなかった人にこれは味わえないだろう(恐らく、それなりにマジックを知っている人は、半ば程でトリックが解る筈だ)。しかし騙された事には変わり無い。

 それと同じで、どちらが勝ったか、を判断する事は難しい。確かに、勝利者は居た。しかし、見ようによってはその彼の方が敗北者だ。何故か、は映画の重大なラストに通じるのであえて書かない、実際に見て考えるべきだ。

 そういえばニコラ・テスラ繋がり(『変人偏屈伝』に彼が出ているから、らしいが、自分はまだ読んでいない)で荒木先生のイラスト入りステッカーを映画公開記念に配布したそうだが、上の様な意味で、この作品は、先生の代表作『ジョジョの奇妙な冒険』第一部に通ずるものがある。

 二人の囚人が鉄格子から外を眺めた。ひとりは泥を見た。ひとりは星を見た。
フレデリック・ラングブリッジ『不滅の詩』


 果たして、泥を見たのは、星を見たのはどちらだったのか。今作は、そんな事を考えさせながらもしっかりと見る人を楽しませてくれる一級のエンターテイメントである。アカデミー賞を取った美術と撮影と共に、その様な人間ドラマを、是非に楽しんで貰いたい。なかなかにお勧めの一作だ。
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