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2008.02.09 アポカリプト
 見たい見たいと思っていた『アポカリプト』を漸くに借りて来たので感想をば。

 割合ネタバレとなっているので、何時も通り見るものは注意して貰いたい。
 上映当初から注目しており、またGMN氏の推挙もあって期待しつつ見たのだが、いや面白かった。

 そして確かに言われる通り、荒木テイスト、ジョジョイズム溢れる作品だった。

 見ていて気持ちの良くない所か率先して悪くなる様な部分を一切抜かないでこれでもかと映し出したり、『300』とは真逆な、あくまでも生に拘ったアクションを行ったり、どうするんだこの状況と思わせる前半、中盤から一転、悟りの境地にすら入った様な後半にて、創意工夫を凝らしながら、大逆転を起こす展開を見せるなど、所どころに『っぽさ』が感じられた訳だが、それが強く感じられた部分は主人公とその部族の者達を貫く精神である。

 特に主人公ジャガー・パウは、正にそうだからこそ主人公である訳だが、顕著にその精神性を出していた。マヤ帝国の者達に捕らえられ、太陽神への生け贄とされようとするその時にあっても、彼は決して命乞いをしたり、敵に屈したりはしなかった。それ所か抜け出す機会を虎視眈々と狙い、隙あらば飛び掛って、追っ手を撃退したのだ。

 大人が浚われ、取り残された子供達も生きる事を誓い、その中で最も年長である少女も健気に保護者を買って出た。主人公の兄弟も妻への想いと生き様を語って見せた(それが叶わなかったのは悲しい事だが)。敵から逃れる為に岩の割れ目に落とされた主人公の身重の妻も子供も、自力で脱出しようと足掻き……子供の脚の怪我を治す為の応急手術シーンは凄かった……それが無理と知れば助けが来るまで懸命に待ち続けた。

 その行為は、言うなれば、生きようとする者の意地であり、生命に対するある種の謙虚な願いである。

 前者の部分は全編を通して見られるが、後者の部分はあの静かなラストで現されていた。

 デウス・エクス・マキナ的に現れた『彼等』に対し、主人公一向は接触しようとしなかった。ただ、己が今生きている事を噛み締めつつ、新天地を求めて去って行ったのである。だが、マヤ帝国の者達はどうだろうか。あの映画の中の描写を見る限り、恐らくそうはしなかっただろうし、また出来なかっただろう。そして、その結果どうなったかは、まぁ知っての通りである。勿論それは映画の中だけであり、実際時代検証については控えめに見ても賛否両論な訳だから、それを直接史実に当てはめてはいけない訳だが、それでも、主人公達がどの様な存在であるかを、さり気なくも如実に表した終わりであると思う。

 かく言う訳でこの作品は、実に人間賛歌な物語である。文明批判と捕らえられなくも無いが、それ以前に、圧倒的な生命の脈動が描かれた物語である。先にも書いた通り、なかなかにグロ描写がキツい為、見る人を選ぶが、それでも理お勧めの作品だ。
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