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 タラちゃんことクエンティン・タランティーノ監督の最新作(ジャンゴにも出ていたが、あれは俳優としてだからな)である。本来は変態銃器でお馴染み盟友ロバート・ロドリゲス監督の『プラネット・テラー』との同時上映で、往年のB級低予算二本立て映画館『グラインド・ハウス』を再現しようとしたらしいが、日本では別々で一本の作品に。フェイク予告と含めて、一本として見たかったな、と思いつつ、レンタル開始されたので早速視聴したので感想をば。何時も通りネタバレ込みなので、ご注意を。というか、ネタバレしないと、この面白さは解ってもらえないと思う故に。
 さてどちらかというと、『プラネット~』に期待してつつ見た今作だが、実にサイコな出来だった。この監督、やっぱり滅茶苦茶(褒め言葉)であると言わざるを得まい。

 まずは前半。グラインド・ハウスの雰囲気を出す為にフィルムの劣化や唐突な繋ぎで、描き出されるのは、キャピキャピなギャル達と燻し銀なカート・ラッセルで、お得意の意味にありそうで余り無い、冗長だが味のある、そして映画馬鹿な事が良く解る会話が展開される。タラちゃん本人もバーのマスター役で登場してノリノリ。大体前半一時間はそんな何時ものやり取りだが、そこまで描いておいて最後はドッカーンだ。それも執拗に、これまた古い演出である別角度から何度も何度も何度も撮る手法で。実に生々しく、油断出来ない素敵な演出だ。

 だがそれ以上に凄いのが、ここまでの一時間が(オチから見て)壮大な前振りであるという点である。ポルポル君ご愛用フロム・ダスク・ティル・ドーン』の如く前半と後半で全く違う内容という訳では無いが、この前振りを受けて、壮絶な様変わりを見せる。もし、真っ当な監督が同じ話で撮ろうと思ったら、多分この前半は十分かそこらで終わってしまうだろう脚本だ。

 そうして、何処かで見た二人のデキサス・レンジャー親子(『Kill Bill vol.2』に登場した奴等だと思うのだが違うかな?)の会話と十四ヶ月の歳月を挟んで、舞台を変えた後半がスタートする。この後半の主人公達はやはりピチピチのギャルである。同じ役者では無いが人数や会話が、前半の登場人物達とのデジャビュを感じさせる。

 では内容も同じかといえばそんな事は断じて無い。前半の痛んだ映像が、後半では見られなくなった様に、ただただ狩られるだけだった獲物は、前半の映像もあって本当にやっているとしか思えないボンネットに人を乗せてのスリリングなカーチェイスの後、一転、今度は逆に狩人側に回るのである。

 この変化には仕掛け人スタントマン・マイク=ラッセルもタジタジで、前半や予告にこれでもかと出ていたクールなサイコキラーは何処に行ったのかと思わせる大慌てっぶりを披露してくれる。この辺りの痛快さは、死亡フラグをねじ伏せて脇役が主役に躍り出たホステル』(そういえばあれの2ももうレンタルされていたか。借りに行かねば)に通ずるものを感じるな。

 そして、そんな怒涛の勢いのままに、見る者を唖然とさせるラストへと至るのだが、これは本当に唖然とさせてくれるのだ。昨今の大作へのアンチテーゼと取れる、正にグラインド・ハウスの名に恥じぬオチであり、そんな終わりかそんな終わりでいいのかっ『THE END』っておいおいおいおいと大笑いしながら画面に向かって思わず突っ込んでしまった程だ。この巧妙な脚本で観客を裏切り、そして度肝を抜いてしまう構成は流石だと唸ったものである。

 という訳で、『デス・プルーフ in グラインドハウス 』。ちょっと人にお勧めするには抵抗があるものの、B級映画、タラ映画、そして木曜洋画劇場が好きならば見といて損は無い作品である。タラちゃんにはこのまま、やりたい放題であって欲しいものだ。新作も、この調子で是非。
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