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 →第一章
 ハーバート・ドジソンはロリーナの叔父であり、彼女の父の弟に当たる人物だ。
 父親は典型的都市市民、つまり保守且つ平々凡々な性格で、詠国本土から出た事も無ければ論曇(ロンドン)の外に行った事も数回という程の人物だが、そんな兄を見ながら霧の都で過ごしてきた為だろう、ハーバートの方は若い頃から世界各地を身一つで旅し、それをそのまま貿易という形で仕事にした、精力的な人間だった。
 その為詠国外に居る事の方が多く、大体一ヶ月か二ヶ月周期で故郷に帰っては、ロリーナ達の元へやって来る。もう既に結構な年であるのだが未だ妻子は居らず、彼女達一家が家族の様なものだ。
 そしてそれは兄夫婦側も同じで、ハーバートが帰国する度に、各地の奇妙な話を聞いたり、土産を見たりするのを愉しみにしている。父親も母親も自分達で行こうとは思わない人間なので、異国の知識は珍しいのだ。
「寅怒(インド)という国は何度も行きましたが実に面白い。
 行く度、行く度に違うものが見えてくる。たとえば、」
 勿論ロリーナも、その叔父の事が大好きだった。
 夜ともなり、宿へと戻って来た両親達と彼女の前で、ミルクたっぷりの紅茶を片手に旅行先の体験談を饒舌に、雄弁に語るハーバートの日に焼けた端正な顔立ちは魅惑的で、彼の姪をうっそりとした気分にさせてくれる。
 相変わらず何て素敵で素晴らしい人なんだろう。
 グラストンベリーでの生活に退屈していたロリーナの中で、その思いはとどまる事無く高まって行き、話が佳境に入る頃には、最早辛抱出来ぬ所まで到達した。
 ロリーナは、頬を薄く染めると、話に感心して仕切りに相槌を打つ両親の間で隠れる様に、そっと両手で包み持ったティーカップの縁を、右手の人差し指で一回、二回、三回と叩き、そこに唇を付けた。中にたっぷり入った紅茶は口に含まず、じっと叔父の方を見つめながら。
 立ち寄った村で恐れられていた、悪神群・阿修羅(アスラ)の化身と呼ばれていた少女の話をしている最中、ハーバートはその視線に気付く。すると、よくよく注意しなければ解らない程度に眼を細め、唇を吊り上げると、彼女と同様の仕草をもっとさり気なく、上手に行って見せた。トントン、と。
 それは二人が取り決めた合図だった。受け入れられた事を知ったロリーナは小さな安堵の吐息を吐きつつ、紅茶を一気に飲み干した。

 そして談話もお開きとなり、夜が耽り出した頃。
 ハーバートが当日に取った部屋に、ロリーナの姿があった。
 蝋燭の灯りが一つぼんやりと辺りを照らす中、質素な一人用のベッドの前で、二人は抱き合っている。
 それは叔父と姪という関係からすれば、聊か不謹慎な程に密着したものだった。
「君にも困ったものだな、ついて早々とはね。
 そんなに我慢が出来なかったのかい?」
 僅かに背を屈め、耳元に唇を近づけながら、ハーバートはそう囁く。
「んっ……だって、ここ退屈で退屈で仕方が無かったんだもの……。」
 吹きかかる息に身を震わせ、ロリーナは恥ずかしそうに返した。
 これで五十三回目になる言葉を、心の底から想いを込めて。
 叔父は「悪い子だ」と、姪を嗜める様な、しかし優しい声音で再び囁くと、その唇と彼女の唇を重ねながら、衣服の方に手を伸ばす。無数のボタンが手早く外され、スカートがずり落ち、下半身がドロワーズだけとなるのを感じながら、ロリーナは小さな舌を震わせ、ハーバートの接吻に応えた。同時に手が、そっと茶のフロックコートを脱がす。二人は互い互いに唇を奪い合い、その中へと己が唾液を注ぎ込みながら、各々の肌にわざと触れつつ、その衣服を一枚一枚脱がして行く。全てが無くなり、生まれたままの体となった二人は、抱擁したままにシーツの白い海へと飛び込んだ。そして、皺の大波を掻き立てる様に、ハーバートはロリーナのまだ成熟していない妖精の様に白い体を、荒々しく愛撫し始める。唇と唇を重ねながら、手は華奢な足を撫ぜて小さなお尻を揉み回し、薄い胸に付いた突起を鋭く捻る。その度に少女は、ピアノが鍵盤を叩かれて音を出す様に抑えられた可愛らしい声を上げて泣き、徐々に熱を持って行く細身を押し当てると、その両腕を男に絡ませる。
 二人がこの様に性的な関わりを持ったのは、今から一年前、ロリーナ十二歳の誕生日の事だった。その日彼女は、幼い頃から見初めていたハーバートに向けて、愛の告白をした。酒が入っていたという事もあるだろうが、元々そういう気質と、同時に情愛があったのだろう、彼は受け入れ、その身を貰い受けた。それは本来少女が望んでいたものでは無く……というよりも、まだまだその手の知識には疎かった……苦痛を伴うものであったが、しかし時と共に慣れてしまった。今ではこの有様で、隙を見つけては愛を確かめ合っている。
 当然ながらドジソン夫妻はこの事を知らない。もし知る所となれば、許す筈も無いだろう。確かに、まだ近親婚は珍しいものでは無かったが、年齢が年齢である。
 また彼等は普通の、性に厳格なヴィクトリア市民に過ぎないのだから。
 かく言う訳であり、ハーバートもロリーナも、ばれぬ様細心の注意を払っていた。今回だって、田舎故一部屋に置けるベッド数が少なく、娘と両親が別々の部屋に泊まっていたからこそ、抜け出せたのだ。でなければ、深夜に男の部屋を訪れる事なんて、叔父と姪であっても流石に出来かねただろう。怪しまれすぎる。
 また彼等は、身体的にも痕跡が残らない為に工夫を凝らしていた。
 ハーバートの愛撫の果てに、ロリーナは切なげな声を上げながら、臆病な獣が格上の存在に服従する様に四つん這いになると、突き出した腰の下、丸く締まったお尻に両手を這わせ、窄まった肛門を、皺が広がってしまう程に押し広げた。そこへハーバートは、いきり立つ男性の象徴を向けると、槍を突くかの如く腰を突き出し、それを中へと入れた。くぐもった悲鳴を上げながらも指は離さず、中でしかと締め付けながら、ロリーナは男を咥え込んだ。
 肛姦は、快楽のみで生産を伴わぬ性交として、同性愛、自慰行為と共に多くの宗教、皇州(※ヨーロッパ)では殊基督(キリスト)教において禁忌とされており、中世の一例だとそれを理由に魔女として断罪された事もあった。
 しかし、しばしば人類は性的快楽を求めるものだ。同じ理由で中絶もまた禁じられている以上、妊娠しない為させない為、肛姦は隠れて行われてきた。
 ハーバートとロリーナも貞操を守る為に、その交わりを望んだのだ。
 自らの中を抉って行く熱く硬い肉棒を感じながら、形式上の処女はシーツを掴み、声が漏れ出ない様、更にそれを噛んで、下から全身を貫く衝撃を味わった。最初こそ違和と苦痛を感じていたが、今では快感と刺激のみが直走る。自分と、また相手が悦楽の極みに達しようとしているのを感じ、ロリーナは唾液の染みを広げ、その指に力を込めた。直に炎の様に熱い性の塊が吐き出されるのだ、と思うだけで、体が打ち震えてしまう。
 けれどもロリーナの心は何処か冷めていた。指でがっしりと掴まれたお尻をこれでもかと激しく突かれ、それに対ししっかりと体が反応しているにも関わらず、頭の奥では冷静に、ある事をずっと思考していたのだ。
 違う、と。
 確かに心地良い。
 刺激は快感であり、その激しさの中にハーバートの愛を感じてもいる。
 だが違う。何か、何かが足りない。
 肛姦だから、という理由とは違う。きっと通常の、膣を用いた性交であっても、同じ事を考えただろう。相手が自分よりも遥かに年上の相手だから、とも違う。寧ろそれを望んでいたのだから、有り得る訳が無い。
 じゃこれは何なのかしら? この満たされない感覚は?
 叔父さんに抱かれている最中、こんな事を考えてしまっている自分の有様は?
 頭の奥でその答えを探すロリーナだが、ハーバートはそんな事など露知らず。
 実らぬ大量の子種をその中で吐き出されて少女の脳裏は猛烈な暑さによって真っ白になり、彼女は呻き声を上げながら絶頂を迎えた。

 →第三章 →表紙
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