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 今シリーズは、首切り神父ユフィジによる血湧き肉踊る痛快ヴァンパイアホラーアクション映画である……意図的に、第一作を避けて言っているが、仕方あるまい。公式の方で黒歴史化されてしまっているのだから。

 ともあれ、そういう訳で、かねてから名前だけ知っていて、気になっていた今作を三本借りて来た。
 まずはパート1から語ろうと思うが、正直この作品は微妙だった。

 というのも、実質的に何の変哲も無い吸血鬼、ドラキュラ映画だったからである。

 ふとした事件事故により現代に蘇ってしまったドラキュラが、特殊な才能を秘めたヒロインを追い駆ける、という脚本は、余りにも使い古されてしまっており、目新しさは無い。そうなると、実質的主人公のドラキュラ=ドラキュリアの魅力が重要になってくる訳だが、その造詣がまた中途半端だ。恐怖、歎美、悲哀、強靭。吸血鬼を公正するどの要素を取っても他の吸血鬼には劣り、カリスマ性には乏しい。現代文化に興味を示すパンク具合でも、レスタト様のイカれっぷりには適わないし、そもそもそこまではっちゃけてもいない。役者は決して悪くないのだけれども、煮え切らない感じであった。

 ただ、ドラキュラ=ドラキュリアの正体はちょっと良かった。精神的嫌悪が、何故生理的拒絶に繋がるのか、それで何故不死になるのか、何故後世の者達にまで伝達するのかと、突っ込み所は山程あるが、面白い解釈ではある。後、音楽と、主人公が使う組み立て式ネイルガンも素敵だったな。

 さて、この様に映画的には何とも言い難い出来になってしまった(全米大ヒットは以前監督が撮ったスクリームの影響があるに違いない)パート1だが、その事は製作者側も承知していたのだろう。パート2は、一応1の直後の話であり、続編でもある筈なのだが、前作にあった設定を悉くが無かった事にされ(特に前作ヒロインの扱いは、ラストを見ていれば、誰しもがこれは酷いと言いたくなるレベルだろう。)ドラキュリアの役者まで変更されてしまっている。

 しかしながらそれは良い判断で、パート2は素敵B級ホラーアクションに仕上がっている。

 何と言ってもジェイソン・スコット・リー演ずる神父ユフィジが良い。、左手に刃付きの鞭を、右手に手持ちの鎌を持って、吸血鬼達の首を刈るヴァンパイアハンターの彼は、しかもデイウォーカーであったりする。ブレイドと被っているといえば被っていると言えなくも無いが、スマートさがあってこちらの方が格好良いし、何と言ってもこやつは神父である。言峰(割と似ていると思うのだが、どうか)であり、アンデルセンであり、つまり戦う神父なのだから、ボンクラにはたまらない。『魂は主が召される。私は首を貰う。』の決め台詞には、痺れさせて貰った。

 と、アクション面ばかりに触れた訳だが、脚本的には今一歩という所か。このユフィジ神父の活躍と平行して描かれる、ドラキュリアの死体を盗み、不死の研究を行おうとする医学生達とその教授のドラマは、設定的には考えていて面白いのだけれど、どうも登場人物達の心情が見えず、緊迫感も薄くて残念な出来に。特に、裏切りの場面は取ってつけたとしか思えなかった。まぁそれよりも、設定的な突っ込みがしたくてたまらなかったのが大きいが。また、マトリックスと同じく、この作品で完結しないのも微妙な所か。まぁしていると言えばしているのだが、もう少しこう、何かあっても良かったと思う。

 その続きとして描かれたパート3だが、そちらも二作目と同じ方向性である。

 ただ、同じ事をやってもつまらないと思ったのか、舞台がルーマニアになっている。ポーランドにて撮影された『Avalon』によると、東欧の物価はかなり安いそうなので、もしかしたら予算的な面もあったのかもしれない。とは言え、この舞台変更は良かったと思うね。現代と吸血鬼は決して悪くないし、理としては倫敦こそが吸血鬼に相応しい都だとは思うのだが、古の城に居を構える吸血鬼というのは、それはそれで燃えるものがある。そのドラキュリアによって吸血鬼化が進み、ルーマニアが彼の実質的支配下に収まっているという設定も、『ドラキュラ紀元的でベネだ。反政府軍が置き、NATO軍が派遣されている辺りなんか、実にくすぐられる。

 そして、彼を追う狩人ユフィジも健在だ。今作では、片思いの相手を吸血鬼化され、彼女を助ける為にルークという先の医学生の生き残りが相棒として登場し、二人でルーマニアの奥地を目指し進んで行く。道中にて墜落したヘリからニュースキャスターを救出し、幾人もの吸血鬼を屠って反政府軍に囚われながらも先を目指し、彼らは遂に念願のドラキュリアと対面する。

 ここまでのドラマ的にはまだちょっとやり切れていないという気がし、またアクション的にも落ち着く所に落ち着いてしまってケレン味が欲しかった所だが、再び役者を変えて現れた三代目ドラキュリアは、パート3の見所である。

 今回の彼を演ずるのはブレードランナーのロイ役にてすっかりZガンタムのヤザン実写化という印象が強まってしまったルトガー・ハウアーであり、しかも吹き替えは配給が知ってか知らずか、あの中田譲治なのである。俳優だけでも十二分に濃く、恐らく三作の中で最も存在感が強い男に、我等がジョージが加われば正に鬼に金棒であった。まぁ残念な事に出番少ない上、その最期も、よもやそんな方法で殺せるのか、というものだったが。本当にもう、第一作は何だったのか、と言いたくなる終わりだ。まぁ、すっきりはしたのだけれども。

 かく訳で、ドラキュリア三部作だった。ユフィジ神父とルトガー=ドラキュリアの活躍の為に見ても良い作品である。そして第一作目は……まぁ、何かしら興味があれば見ても良いのでは無いだろうか?お勧めはしないで置く。
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