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 しなくちゃ、テリー・ギリアムにごめんなさいしなくちゃ。

 かつてブラザーズ・グリムが余りにあんまりな出来であったが為に、もうこいつのは見ないと言った覚えがありつつも、しかし結局気になって見てしまい、そして前言を酷く後悔する羽目になってしまった今作こそ、12モンキーズである。

 いや、これはいい。実にいい、映画である。

 まぁネタとしては大した事は無く、ありがちなもので、所謂時間逆行モノだ。オチなんてすぐ解るだろう。その映像も独特のセンスは確かに感じるが、度肝を抜かれる程のものでも無く、今見ると少しばかり古臭い……勿論それも味ではあるが……SFのセットである。構成的にも少し解り難い所がある(脳裏から聞こえるあの謎の男の声の正体とか)。

 しかし、にも関わらず、本作が素晴らしいのは、画面全体から迸る厭世感。これに尽きる。

 もう最初から最後まで、全てのシーンに、いや映画そのものに、後々起こるであろう悲劇が暗示されている。ブルース・ウィリス演じるタフガイじみた常人の主人公は、そんな悲劇をどうにかするべく、もがき、足掻き、運命を変えようと、運命から逃れようと必死に走るけれど、結局は何も変わりはせず、逃れられはせず、運命は悲劇を導き出し、破局が訪れる。

 主人公にも、主人公のその行動にも……つまりはこの映画の半分以上に渡るシーンは……何の意味も無かったのである。彼が中途で出逢うブラッド・ピット演ずる狂人(これがまた偉くモノホンのガイキチに見えて凄い。こういうのを演技と感じさせない辺りが流石という所か)の意思や行為がそうだった様に。『12モンキーズ』と意味深に語られるキーワード、そしてタイトルが、実はそうでは無かった様に。時計を思わす十二匹の猿が円を描いて永遠と回り続けるシンボルの様に。実に底意地の悪い冗句であり、皮肉では無いか。世界に蔓延る無意味さをただ映画内で完結させるに留まらず、それを描く映画自身にまで矛先を向けようというのだから。

 だからこそ主人公に訪れる破局の悲劇性が増すのであり。

 そしてあのラスト、にも関わらずのあのラストが栄えるのであろう。
 
 うぅむ、何の気も無しに借りて見てしまったが、これは実に当たりだった。本当、一本の作品だけで製作者の全てを否定するものでは無いね。後有名な作品といえば、未来世紀ブラジルがあるが、これもまたこの様な傾向の作品らしいので期待して良いかな。
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