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2009.10.18 スナッチ
 キャラ造詣として(ぶっちゃけ主役としてこいつを使いたかったのである)ブラピを観察する為に動画を探していた所、見つけたこいつが格好良かったので思わず借りちゃった。



 バッカーノ!のOP演出はこの映画のオマージュらしく。アニメの方も皆からお勧めされたので、見たい所ではあるが、それはまたの機会に譲るとしよう。

 さてガイ・リッチー監督の作品、はこれが初めてになるかな? 他に知っているのは、名前だけだがリボルバー位か……何か偉い評判悪いらしいな、あの映画。ちょっと借りて見ようかと思っただけに、残念という所だが、いやいや、しかし今作は実に面白い、良い映画であった。

 群像劇であり、ダイアモンド強盗を発端とするドタバタ・クライム・コメディという風合いなのだが、実に構成が上手い上手い。くるくる場面代わりながら破綻無くぽんぽん進んで、それがまた具合良く絡みながら向かって行く展開は、最後まで飽きさせずにしっかりと見させてくれた。何処と無くデヴィッド・フィンチャーっぽい印象も受けたが、関連はあるのかな? ともあれ、この演出に脚本は見事と言うしかあるまい。特に三つの流れが一つとなる一連のシーン(ぽい→ばしゃーん→ききぃ)は笑った笑った。

 そして動画を見ても解る通りの、男祭りがまたイカス。男というよりおっさんというか、野郎だな、野郎祭り。右見ても野郎、左見ても野郎、上見ても下見ても中見ても野郎で、雌の香りが微塵も無い。モブ含め、女性キャラは両の手で数える位しか出て来ないのではと思わせる、この潔さは良し、である。や、普通に格好良いんだけどね、皆。何言ってるのか解らねぇブラピや、トランスポーターの所為で勝手に俺の中で実写版ロジャー・スミスになってる正直あんま目立ってねぇジェイソン・ステイサムとか、露西亜人の人も良かったなぁ、というか皆良かった。

 この前のバーン~を皆で見ようと言っているが、これもまた皆で見たいな。うん、良作である。前作であり初作品である『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』も評判いいみたいだし、探して見て見るかなぁ。残念ながら、うちのバイト先には無いみたいなんだけれども。
 ビジュアル的に気になってたんだが、ソダーバーグだったのね、これ。

 という訳で「イギリスから来た男」である。原題は『The Limey』 英国人に対する蔑称という事で、英吉利野郎位の意味になるのか? でも邦題の方が、日本人からすると英吉利人を現している様で好きだな。原題は、何と無く、こう、スナック菓子みたいな感覚が亜米利加っぽい。でも乾いた、無機質な感じはどちらも出ているかな? 端的か否かという所で。

 内容は不可解な死を遂げた娘の謎を追い、遥々海を越えて英吉利からやって来た男の復讐譚、と一言で説明すればその様なものになろうが、ムショ帰り且つ長年断絶していた父子という事で、復讐という程の熱狂さは無く、淡々と娘の足跡を追って行くストーリーになっている。

 とりあえず、テレンス・スタンプが格好良いね。自分が見た中だと、他に出演した映画は……『ウォンテッド』位で、まぁ実質今回が初なのだが、実に慰撫し銀な男だった。それで居て哀愁が漂う。若い頃に出演していた作品の映像を直接使い、回想とする演出も相俟って、なかなかほろ苦い好人物になっていたかと。若い頃も確かに格好良かったけれど、こちらの方が素敵だなぁ。

 話としては、その灰色さは良かったけれど、もう一捻り欲しかったというか、群像劇的に焦点が当たる割りには余り意味があったとは思えない敵役が正直要らなかったかな、という所。でも全体としては悪くなかったと思う。何だかんだでソダーバーグ好きだし、うん。
 最っ低に趣味の悪い映画である。コーエン兄弟ってこんなんばっか撮っているのだろうか? 『ノーカントリー』しか見た事無いが、あの映画の後でこんな映画撮ってんじゃねぇよ馬鹿ぁ、と全力で叫びたくなってしまう様な作品だった。

 勿論褒め言葉である。

 いや、笑った笑った。腹の中の胃の腑の底から黒い笑いが、けらけら込み上げて来て、仕方が無かった。もう終始、あーあ、の声に尽きなかった。素敵だ。実に素敵なブラック・コメディである。

 何せ洒落になっていない。脳筋全開のブラット・ピットが全面に出、ジョージ・クルーニーが真面目な色ボケを全開に、全身整形に命を燃やす、うざったくもまぁこういう女いるよなって女をフランシス・マクドーマンが演じたりと、その他また豪華な登場人物含め、単体ならば、しょーもない人達として流せる輩が、ぐじゃぐじゃと複雑に絡み合い、あれよあれよともつれ込んで、流血沙汰にまで発展してしまう。実に笑えないのだけれど、そこに至るまでがまた何ともしょっぱくて、にも関わらず、結末とそれを捉える人々の反応が余りに大仰なものだから、そのギャップについついと笑ってしまう。

 笑えないからこそ笑えるというコメディで、多分受け付けない人も居るだろうが、自分としては実に良い映画だった。嗚呼本当、『ノーカントリー』の後にこういう作品を撮ったというのは凄い。確かに一つの解答ではあるのだろうけどさ、ここまで直球の変化球を投げてくるとは思わなかったね。

 で、どうもコーエン兄弟というのは、基本的にこういう作風なのね。実に気に入ったので、また過去作を借りてこよう。 
 何の事前情報も無しに、とは言え元来俺が何かを見る時にそうである様に、タイトルやジャケットを持って、最初からその様なものだろうと希望し、目星を付けて借りて見た作品である。要するに、アーティスティックな作品を見たくなったのである。自分の本懐はこちらか、と一抹の誤解を抱きつつ。

 と、その意味で、今作『ディナー・ラッシュ』は、期待を裏切らない出来の映画だった。

 物語はニューヨークにある有名イタリアンレストラン(リストランテ)の一夜を描いた群像劇である。基本的にリストランテとその周辺から一歩も出る事無く、癖の強い登場人物が入り乱れて話が進んで行く。そして絡み付いた事情は絡み付いたまま、特に顕著な解答を提示する事無く行き着く所へと行き着きついて、最初の決め手が、最後の決め手となって、エンドロールが降りて来る。サスペンスに分類されていたが、逼迫した空気は無く、というか空気自体が拡販され続けていて、最後にぴたっと止まる様な感覚だ。

 個々としては何とも捉え難く、またテーマ性も何も無い映画である。しかし、その混沌とした中に、きっとある筈の何か一本の芯が見出せる。勿論最初と最後をずばりと締めたからに他ならないが、そんな味や匂いが伝わって来るのだ。今作はその様な映画で、その様な映画を望み、また好いてもいる身としては、実に愉しむ事が出来た。

 で、その何かを導き出す為の演出が凄く良い。映像とか音楽とか、登場人物とか(個人的にパブのウェイターとウォール街から来た男がお気に入り)。その中でも映画を通して顕著に輝いていたのが、料理である。殆ど全面に押し出される事は無いにも関わらず、カフェの前を通って聞こえて来る人の声の様に絶えず意識に残り続け、そしてここぞという所でさらりと、優美に焦点が合わせられる。実に見事だと言うより他ならない、いや、もっと端的に言ってしまえるな。そんな修辞など必要無くて、一言こう言ってしまえばいいんだ。この野郎なんて美味そうなんだ畜生めが、と。

 まぁともあれ、個人的には結構な当たり作だった。多分何処ぞのジョニーも気に入る類だと思うので、また大学に持って行って、皆で鑑賞したい所である。
2009.08.28 ナンバー23
 一時期レンタルで見る度に予告をやっていたから、気になって見た。

 ジム・キャリーが一冊の本によって、23エニグマ(23という数字に矢鱈執着する思想)に陥る話。

 前に見たジョニー・デップの『ナインスゲート』みたいな映画かと思っていたら、そんな事は全然無く、23に纏わるトンデモ解釈と共に映されるちょっとSawに似た御洒落グロOPに始まり、小説の体裁を取っている本の映像を至る所に挿入しながら進んで行く前半と、素直にサイコサスペンスであった。

 23という数字と、それを記載した本に踊らされる主人公はなかなか面白い。彼の影響か、見ているこちらも擬似エニグマ的に、映画の中にある23という数字を見出そうとしてしまっていた。嗚呼、狂気とはこの様な風に伝染するのだな、と少し解った気がする。

 でも全般的に狂気の度合いが足りていない気がするし、後半部に至る為にご都合主義的な偉い飛躍があったり(主人公が、あのメッセージに行くのは解らないでも無いが、せめて何故そこに至ったのかのシーンが欲しかった)、またオチもかなり早く示された事で、これはもしかしたら、と思っていたら、ラストはやはりな、という感じであった。

 別にオチが途中で解るのは良いが、最後の最後で収まるべき所にすとんと収まってしまったのが、勿体無い気がする。 それこそ永遠に続く2÷3(=0.666……)の如く、混沌とした世界に引き摺っていってしまった方が良かったのではあるまいか。ジム・キャリーだから余り無茶出来なかったのかもしれないけれど。でも、だからこそ、という気もするんだがなぁ。

 ともあれ、期待した程の作品でも無かったが、まぁまぁの佳作ではあったか。初秋の夜には打って付けかもしれない。いや俺見たのついさっきだけどさ。秋の夜、もとい夜長というのが、実に都合の良い表現なのは認めるけどさ。
 亜米利加軍対魔王(竜王)軍の壮絶な死闘を描いた映画である。

 後、モンハンデザインの、良いドラゴンと悪いドラゴンが戦ったりする映画である。


 行き成り主人公の亜米利加人が五百年前の韓国の英雄が生まれ変わりで、ドラゴン達の力の源を宿した韓国の姫様が生まれ変わり(因みにパツキンの姉ちゃんである)を護る宿命を持っている事を知らされたりだとか、昼だろうと夜だろうと関係無く悪いドラゴンが暴れ回っているのに襲われる直前まで皆それに気付いて無かったり、あまつさえ襲われた直後に普通にお茶している主人公達だとか、FBIだか何だかが動き出していて人命よりも国家の安全を重視する上司を部下が静止する五分程度のシーンが唐突に入ったりだとか、まぁ何だか色々ある様だが、本筋は襲い来るドラゴン相手に現代兵器で立ち向かう猛者達の物語なので、別にどうでもいい。

 それで行くと本筋は精々2~3チャプター程度だが、平成ガメラとかサラマンダーとか後エヴォリューションとかで見たかったけど見れなかったものを割りにやってくれた点だけは評価したい。

 まぁ正直酷い映画だったのだけれど、ZVSを新作の料金で借りた理に隙はなかった。

 あれと同じ様なものと思えば、CGがぬるぬるな分、まだマシだろう。後韓国映画と思えば。

 それよりもWikiの概要が酷い事になっていて、そちらを見る方が面白い。何と言うか、エド・ウッドに失礼じゃなかろうか。ジラには同意するけれども。もとい、あれはあれでなぁ、ゴジラじゃないと思えば、そこまで酷評されるものじゃないと思うのだが、ゴジラじゃないと思えば。

 とりあえずこれからは、マグロも食ってない様な奴は駄目だと言うべきなんだろうな、うん。

 
 多分同ネタ多数だろうが気にせずに、猫のゆりかごとスローター行き掛けに買いつつ、ディケイド&シンケンジャー見て来た。久々に劇場でちゃんと見た映画がこれというのもまた、あれだが。お餓鬼様が来なさそうな時間を狙ったとはいえ、他にいたのが子連れの夫婦一組というのも、実にあれだが。

 まぁともあれ。

 まずはシンケンジャー。戦隊モノは、古き良くも悪くもな形式美の固まりだから、安心して見てられるな。その中で行われる細部の変化もまた粋だ。余りちゃんとテレビの方は見て無かったけれど、悪くなかったと思う。少し話が唐突に始まって、ちゃんと消化する時間も無く終わってしまった短さだけは残念だが、詰まらなくは無かった。殿が格好良い。新ディスクよりも、レッカダイザントゥでの立ち回りのが見ていて面白かったな。あれは何と言うか、主役のもつ武器では無いぞ。

 で、本命のディケイド。元々脚本やら何やらで色々と言われていたものだから期待せず、細かい事ぁどうでもいいんだよ、の精神で見た為か、偉い面白かった。冷静になって考えると、ちょっとそれどうなんだ、という部分も多々あるのだが、お祭り騒ぎの一つのピリオド(まだテレビ版最終回が残っているからな)としては充分だったかと。良くも悪くも昭和と平成がかみ合っていたしな。ノリの昭和、演出の平成な。

 ただ、月影先生と凄まじき雷の戦士さんには合掌したい。特に前者は色々酷かった。かませになるのはまぁ良しとしても、あんな最期を遂げる悪役というのもなかなかいないと思うぞ、創生王。

 後ダブルは、俺やってくれる子だって、信じてた。ちょいとやりすぎではあったけどさ、うん。
 三つ一気に行うが宜しいかと。

サハラ 死の砂漠を脱出せよ

 新ヒーロー登場という触れ込みが気になったので借りて見る。

 一応原作がシリーズものではあるのだが、映画化されたのは、これと後一つだけなのね。

 しっかし、これはまた何と言うかコテコテの作品だ。今時珍しい位にコッテコテ。一応環境汚染やら人種問題やら出てはいるが、そんなもの触りとばかりにアクション性全開。放映されたのは2005年という事だが、良くもまぁという感じである。原作からして正にハリウッドという作品の様だから、これでいいのだろうが、個人的にはもう少し情緒というか風情というか、そういったものが欲しかったかな。ダークのキャラも、紹介の割りにはそこまで魅力的とも思えなかったし。

 でも、こういうのに文句つけちゃいけないな。感じ感じ。

ザ・ウォッチャー

 ただ期待していると文句を付けたくなるのが不思議と言えば不思議。

 名前だけは知っていたんで前から見たかったのだが、あっれこんな作品だったのか。

 前情報無しに見たのだが、ぐっだぐだだ。サイコサスペンスという事で、異常者っぽい連続殺人鬼のキアヌが暴れるのだが、何故暴れるのか良く解らない。主人公の刑事に付き纏うのだが、何故そうするのか、仄めかされはされても理解出来る程には無いし、追跡劇も迫力無いしで、何だかなぁ、という所。

 久しぶりに橋にも棒にも付かない作品を掴んじゃったな。うーん、こりゃラジー賞取るよ、きあぬー。

ブロウ

 1970年代伝説の麻薬王の栄光と没落を描いた作品。

 またの名を、渡る世間はビッチばかり。

 ジョニー・デップ主演に惹かれて見たのだが、作品としては正直普通。然るべく始まり、然るべく終わるというのが実に良く似合う映画だ。もっと端的に言ってしまえば、自業自得以外の何者でも無い。

 そんな中、目に付くのが並み居るビッチ達であり、まぁジョニデに絡む女性の大半がビッチである。母親も二番目の妻も。特に酷いのが母親の方で、気持ちは確かに解らんでも無いのだが、とても我が息子に対する態度では無い。こいつのお陰で、パパンが聖人の如く見えて来る。いや実際いいお父さんなのだがね。まともと思える最初の妻は、若くして死んじゃうから、ジョニデも散々だ。

 でも一番散々なのは、彼の娘であろうな。純然たるビッチとは言え無いし、境遇を思えば、正に然るべき、であるのだが、ある意味最も酷い制裁を加えるのが彼女だ。ラストは、当然といえば当然とはいえ、老いたる男が受ける罰としては聊か手厳し過ぎるか。収まる所に収まった、まぁ悪く言えば並の映画の中で、ラストの演出だけはなかなか良かった。他の部分とは明らかに逸脱していて。

 と、こんな所。この調子でじゃんじゃか行きたい所だね、じゃんじゃか。
 あー、こういう作品だったのか、というのが第一印象。

 ハリウッドスターが次々に殺されて行く、みたいなあらすじの書かれ方をしていたものだから、てっきりオーシャンズ・シリーズみたいな話だと思っていたのだが、蓋を開けて見ると、なかなか良く出来たミステリー・サスペンスだった。や、確かに御洒落具合はオーシャンズに似ていたのだが。

 そして実は結構あの雰囲気好きなものだから、なかなか面白く見る事が出来た。最初が少しゴチャゴチャしていて話に入り辛かったのだけれど、本編に入ってから(ジョシュ・ハートネット登場以降)俄然見ていて楽しかった。タイトルと掛けた(原題は若干違うのだが)007談義とか、熟達の俳優同士の遣り取りとか、本筋と関係無い所も面白かったし。

 ただ、最後に至るまでにネタを割ってしまったのは頂けない。多分察しの良い人は冒頭からどんなネタか解るだろう(その意味でも、あそこは削って良かった気がしないでも無い)し、そうで無くとも見ていて何と無く解ってはいたのだが、それでも終盤入るか否かという所でのばらしはタイミング的なミスだったと思う。あれのせいで、すっかり興が冷めてしまった。

 その後からとんとんとまとめに入り、手堅く伏線を回収して物語を終わらせたのは良かったが、どうにも手堅過ぎる。あのオチはぎりぎりまで止めて置いた方がインパクトも強かったろうに、惜しい事をしたと思う。どんでん返しと言うにはインパクトに欠けてしまっていた。まぁその分の手堅さではあるから、難しいバランスだと思うけれど。

 ともあれ、決して悪い作品では無いので、御洒落系が好きなら見ても良いと思う。

 嗚呼後、何気に一番の収穫だったのは、ルーシー・リューが始めて可愛く見えた事だな。いやぁ、あの顔は個人的になっかなかそりが合わなくて、歴代実写アメコミヒロインズ並に微妙だったルーシーだが……何せ一番最初にはっきりと見たのはキル・ビルだったし……今回はちゃんとクール且つキュートに見る事が出来た。うぅん、仕草と服装というのは実に大事だと思った次第。
 ボーン・アイデンティティは前に見たので、今回はスプレマシーとアルティメイタムを。

 このシリーズは、何と言ってもジェイソン・ボーンさんのチート臭いアクションが堪らない。アイデンティティの時はでってうジャンプ的落下射撃にそそられたけれど、スプレマシー、アルティメイタムは失った記憶の真相に迫って行く分、どんどん凄まじくなって行く。特にスプレマシーでの電車再乗り、アイデンティティでの「向かい合っている筈だが」は凄過ぎて吹いた。ただ何と無く、ジャッキー映画からコメディ分を完全に排除して、サスペンス分、スリラー分を目一杯ブレンドしてやったらこうなるのかな、と、主に対人での戦闘見つつ思ったのは内緒。や、その発想が良いんだけどね。

 また、ボーンの無茶な行動に翻弄されるプロフェッショナル達の反応や、そのボーン演ずるマット・デイモンの、正直言って熟達者には見えない猿顔も、意外性があって良い。ほぼ無敵なのにメンタル面ですこぶる脆いボーンの印象が良く現れているし、そんな彼に終始てんてこ舞いなお歴々も、こう言っては何だが、実に面白い。とりあえず、現れては消え、消えては現れる黒幕の素敵おじ様方へは誤愁傷様と言わざるを得まいが。いや本当、笑っちゃう位、次から次へ落ちて行くね。

 まぁ映画としてはそれ程凄いとも思わないけれど、娯楽として見るには十二分に愉しめる作品であり、今後また続編があるならば、ボーンの無茶な活躍をもう一度見たい所である。今度の黒幕はどうするのかは置いといて。
 爆笑した。そんな映画では無いし、普通に傑作だったのだけれど、爆笑させて貰った。

 映画『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』は、石油屋ダニエル・プレインビュー の物語である。

 このダニエル・プレインビュー という男が、素晴らしい。

 主人公である彼は、実に傲慢不遜な男だ。

 強欲であり偏屈であり、はっきり言って余り友達には成りたくない人物である。

 しかし彼は、この映画に登場する誰よりも真っ直ぐで、自分に素直な男だ。

 そこには一切の妥協が無く、また甘えも無い。只管に自身のみを頼りに、難問へぶつかって行く。例え何があろうと、何が待ち受けようとも。There Will Be Blood=血は必ず流れる。彼の流す血は真っ黒で、体の隅々にまで垂れているが、しかしその色は本当の黒であり、混じり気無く、純粋に美しい。

 それと比べて、他の連中の何と汚れた事か。土地の代わりに信仰を強要する信者。兄弟の愛を説きながら、本物の弟では無かった男。父親と道を分かつと宣言するも、結局は父親と同じ道を進もうとする息子(嘘か真か、彼もまた本当の息子では無かった様だが)。誰もダニエルの力強さには及ばない。

 その極め付けが、宗教家イーライ・サンデーであり、この映画のもう一人の主役と言っても過言ではないのだが、実に滑稽極まりない人物である。神の愛を説き、確かに(狂信的ではあるものの)それを中心に振舞ってはいるが、しかし実際は雑多な地上の出来事に翻弄され、ダニエル個人への意趣返しにまで及んでいる。その一挙一動が、いや、彼の存在そのものが最早喜劇であり、個人的に彼の登場シーンがこの映画の笑い所である。そのラストには、心の底から「ざまぁwww」と言わずには居られなかった。

 まぁそれでも彼の気持ちも解らないでは無い。あれが信仰心とは毛ほども認めないし、どう見ても狂信者だと思うのだが、何かにすがりたい、助けを乞いたいという気持ちは良く理解出来る。

 だが哀しいか、イーライが(或いは他の者達も)すがる神の愛はもう古きものと言わざるを得ず、地上からは去って行ってしまったものだ。彼自身が無理と証明している。もうあの様な主張は、道化としか映らず、皆、誰も彼も、正に血を流すしか無い。結局の所、ダニエルもイーライも代わらないのだ。それが白か黒かというだけで。そして、流れる血に対して、どういう風に考えているのかという点において。

 血は流れ続けるだろう、どうしようもなく。

 ならば何処までも流し続け、流し続け、己の力で幸福を勝ち取るより他ならないでは無いか。

 この映画は、そう訴えている様に見えた。ダニエルが既に妻を失くしており、映画の中でも男性ばかりが目に付いて、女性らしい女性が姿を見せないのを象徴に、現代に通ずる問題として。

 なかなか凄い映画だった。笑いもしたけれど、うん、確かに凄かった。
2009.08.05 デジャヴ
 バイト先のランキングに矢鱈何時までも上位に居るので気になって借りる。

 ジャンル上はサスペンスドラマとあり、成る程、見ていれば確かにサスペンスである。海軍主催のフェリーを狙った爆弾テロが発生、被害者数百名に及ぶ惨事を食い止めるが為、デンゼル・ワシントン演じる主人公が調査に乗り出すというもの。

 が、そんな彼が特別監視システムの一員に任命された所から、何か毛色が変わって行く。衛星を利用して、と説明されているが、それにしては妙に婉曲的だな、と思って見ていれば……嗚呼何だこれSFじゃないか。ある意味予想を裏切るトンデモ展開にwirklichである。

 まぁしかし、SFとして見た場合、はっきり言って二流である。時間旅行ネタを扱うのは良いのだが、細かい点が鼻について仕方が無い。二周目の展開を映像的な使い回し=デジャヴとして表現する手法は良かったが、話の強引さに、中盤以降は乗る事が出来なかった。そして、オチ。確かに表面上はハッピーエンドである。が、あれはどう見てもバッドエンドだろうに。同僚死んだままだしさ。

 と、SFとしては個人的にかなり駄目ではあるけれど、あくまでそれは御洒落感や意外性を出す為の味付けなんだよと割り切れば、なかなか悪くなかった。(ラストまで)ぴんと張り詰めた緊張感は見ていて手に汗握らされたし、目撃出来ても防ぐ事の出来ぬ過去の悲劇の描写も良かった。

 詰まる所、これのジャンルは確かにサスペンスだった。SFとして売り出していたら、おいおいと思ったかもしれないが、この売り方で正解だな。いや寧ろこれは、現実と空想がもう区別付かぬ所まで来たのかとしたり顔で頷くべき所なのかもしれないが。
2009.07.18 つみきのいえ
 と言うわけでアカデミー賞短編アニメ賞を取った『つみきのいえ』を見る。

 レンタルした直後に大学のサークル室で友人一同と共に鑑賞したのであるが、これは凄かった。もし周囲に人が居なければ、俺は何の躊躇も懸念も無く泣いていただろう。ぼろぼろと。いや、泣ける事を謡った作品、それだけを焦点に置いた作品なんて真っ平御免であるが、しかし、これは、それだけに足りるアニメであり、「おくりびと」の影に隠れて余り話題に登っていない感があるのが実に勿体無いものである。

 はっきりと言えば、何も言いたくは無いというのがこの作品を見た正直な感想である。これはこうだと、愚駄愚駄語る事は出来るけれど、そんな事をしても陳腐になるだけだし、恐らく他の人が見れば、また違う感想を持つに決まっているのだ。

 だからもう、ただただ見て貰いたい訳なのだが、しかしそれでも、これだけは自分の感想として言って置きたい。この作品は完璧である。絵も、音楽も、話も、全てが完璧な調和を持って一つの芸術作品を成している。もう、これ以上足す必要も減らす必要も無いあるまい。完璧である。

 見る前は半信半疑だったが、しかし見た後はアカデミー取ったのも頷ける本作。是非、皆に見て貰いたい次第……嗚呼、後最後に、長澤某のナレーションが付いているが、ナレーション自体蛇足も良い所で、是非あんなもの切って見る事をお勧めする。
2009.07.16 CUBE
 見たかったけれどついつい見落としていた著名な作品、或いは今更シリーズ何回目。

 と言うわけで『CUBE』を見る。サークルの友人推挙という事もあって。

 で、感想だが。

 発表が1997年(日本だと1998年)と既に十年以上経っており、更に現在に至るまで相当数のパチモンや影響を受けた作品が多々現れていた事で、正直設定それ自体には面白味や新鮮味は感じなかった……まぁ当然といえば当然か……のだけれど、それでも尚、十分に愉しめた作品だった。

 序盤こそ登場人物達の演技に少し違和感を覚え、殺人トラップも成る程位にしか覚えなかったが、密室の極限状態の中で繰り広げられる人間模様、そして脱出までの過程は、実に面白かった。恣意的な中、だが意思の見えぬ状況の恐怖というのもなかなかのもので。

 ただ、でもやはり、これはもっと早くに見て置きたかったな。この衝撃は、当時リアルタイムで見ていなければ、解らなかったであろうから。その意味で、残念と言えば残念である。

 と、本編の方はこの辺りで、実は特典収録の短編『Elevated』の方が個人的に面白かった。

 本編の原作となったという今作。密室状態での緊張と、外部の情報が一切入ってこない故の恐怖、何を信じていいのか解らない事態、そして行動の末の最早どうしようも無い結末、とCUBEの要素が濃縮されており、下手にスプラッター描写が薄い分、奇妙な味の映画として面白く見られた。

 双方共に現れる、ばばぁのうざさもこちらの方が半端無かったしな。

 ぶっちゃけこっちで良かったのでは、と思いもしたが、これだと脱出要素が無いから、何ともか。
 ダニエルボンド二作目であり、且つ前作カジノロワイヤルからの直接的続編である。前作が頗る面白く、また今作の予告編、特にそこで流れていた007のテーマアレンジが頗る格好良かったので、これは見ねば、と思い立ち、レンタルと共に借りて見た。

 前にも言ったがジェームズ・ボンドに思い入れというのは特に無いので、曇り無き眼で見る。

 うん、アクション映画としては非常に良く出来ていたと思う。プロローグでの豪快なカーチェイスに始まり、裏切り者を捕まえるが為の攻防戦と続き、その怒涛の流れのまま、あれよあれよと海上戦、空中戦、そしてラストへと至る展開は淀み無く、実に爽快だった。

 ただその分ちょっと描写不足な印象を覚えたな。いや無い訳では無いのだが、アクションの凄さに全部持っていかれてしまっている感がある。特にボンドの成長、前作ラストでジェームズ・ボンドから007に本当の意味でなったあのラストに続くという意味では、少し、いやかなり物足りない気がする。うん、曇り無い眼で、と言ったが、大分フィルタが掛かっているか。

 だがそうだとしても、007の魅力は徹頭徹尾なプロ意識を持つスパイとしてのアクションであるというのは解る所で。プロ意識なるものがどの様な行動を促すかは何とも言えないが、もっと端的なスマートさがあっても良い気がする。

 まぁその辺り、良く見てもいないにわかが語っているだけなので華麗に流して欲しい所なのだけれど、ただ上にも出した様に、アクション映画としてはなかなか良かったので、一応お薦め。ただ、少なくともカジノロワイヤルは見ておくべきだと思う。OPの出来や、構成という意味で、明らかにあちらの方に分があると思われるので。
 しなくちゃ、テリー・ギリアムにごめんなさいしなくちゃ。

 かつてブラザーズ・グリムが余りにあんまりな出来であったが為に、もうこいつのは見ないと言った覚えがありつつも、しかし結局気になって見てしまい、そして前言を酷く後悔する羽目になってしまった今作こそ、12モンキーズである。

 いや、これはいい。実にいい、映画である。

 まぁネタとしては大した事は無く、ありがちなもので、所謂時間逆行モノだ。オチなんてすぐ解るだろう。その映像も独特のセンスは確かに感じるが、度肝を抜かれる程のものでも無く、今見ると少しばかり古臭い……勿論それも味ではあるが……SFのセットである。構成的にも少し解り難い所がある(脳裏から聞こえるあの謎の男の声の正体とか)。

 しかし、にも関わらず、本作が素晴らしいのは、画面全体から迸る厭世感。これに尽きる。

 もう最初から最後まで、全てのシーンに、いや映画そのものに、後々起こるであろう悲劇が暗示されている。ブルース・ウィリス演じるタフガイじみた常人の主人公は、そんな悲劇をどうにかするべく、もがき、足掻き、運命を変えようと、運命から逃れようと必死に走るけれど、結局は何も変わりはせず、逃れられはせず、運命は悲劇を導き出し、破局が訪れる。

 主人公にも、主人公のその行動にも……つまりはこの映画の半分以上に渡るシーンは……何の意味も無かったのである。彼が中途で出逢うブラッド・ピット演ずる狂人(これがまた偉くモノホンのガイキチに見えて凄い。こういうのを演技と感じさせない辺りが流石という所か)の意思や行為がそうだった様に。『12モンキーズ』と意味深に語られるキーワード、そしてタイトルが、実はそうでは無かった様に。時計を思わす十二匹の猿が円を描いて永遠と回り続けるシンボルの様に。実に底意地の悪い冗句であり、皮肉では無いか。世界に蔓延る無意味さをただ映画内で完結させるに留まらず、それを描く映画自身にまで矛先を向けようというのだから。

 だからこそ主人公に訪れる破局の悲劇性が増すのであり。

 そしてあのラスト、にも関わらずのあのラストが栄えるのであろう。
 
 うぅむ、何の気も無しに借りて見てしまったが、これは実に当たりだった。本当、一本の作品だけで製作者の全てを否定するものでは無いね。後有名な作品といえば、未来世紀ブラジルがあるが、これもまたこの様な傾向の作品らしいので期待して良いかな。
2009.07.08 アイアンマン
すっかり書くのを忘れていたがアイアンマンである。

いや別に面白くなかったから書いてなかった訳でなく、単純に時間がなかったのであり、作品としては寧ろ凄い面白かった。

自分は別にアメコミファンではなく、故にそこまで詳しいという事も無いのだけれど、今作は良い意味でアメコミらしいアメコミだと感じた。

 掛け値無しに格好良い、というのが自分の思った、素直な感想であろうか。もうただただ格好良い。テーマ的な部分には特に強いものは得られなかったが、もう、そういった格好良さがテーマと呼んでいい作品だね。

だからこそ、余り語る所も無いのであり、ここまで感想を延ばした理由も多分にそれがあるのだが、兎に角格好良いので是非見る事を勧める。

何か格好良いとしか言って無いがまぁそれが全てだ。

あ、一つ言うことがあった。今作のベストヒロインはあの無人アームである。以上。
タイトル間違えてたが携帯だといちいち確認しにくくて困るな。

ともあれ時間も一応出来たから暫くは駄目文学生らしく趣味に走らんとして、ナチュラル・ボーン・キラーズを見る。

随分前に一人タラちゃん祭りをしたが、その中で唯一見てなかった作品である。ドラマやショートショート以外はこれで全部見た筈だ。まぁ監督で無く脚本だが。

内容は殺人鬼カップルが自分達の想うがままに行動し、それがマスコミによって徐々に助長され、遂に沸点を迎えるというもの。

まあ何ともタラらしいけれど、演出とかは監督のもので。それは別にさほど悪くも無かったんだけど、でも何だか消化不良が残っている。やりたい事は解るのにそれが上手く出来てない気がするんだね、これが。

端的に言うとはっちゃけが足りない。殺人鬼カップルやそれを助長するマスコミ連中の行動は確かに気が違っているが、でも何か裏がある様に見えてしまう。アイアンマン……そう言えばこれの感想もまだだったか……の素敵社長が欲求全開のプロデューサー役で出ていて、ここても後半サイコーな演技を見せてくれ、そこは凄い良かったんだが正直それ位。後はトミー・リー・ジョーンズの刑務所所長辺りで。

総じて全体的に真面目過ぎ、滑稽さが無いんだな。テーマがテーマだけにもっとヤッチマエバ良かったのに残念な限りであり、やはりタラちゃんが監督したものを見たい所である。
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